保育園・幼稚園入園時には、いくらお金がかかる?

幼稚園や保育園への入園。お子さんにとっては、初めての集団生活がスタートしますね。子どもの成長がうれしい反面、入園・通園にかかる費用を心配しているパパ・ママは、多いかもしれません。

今回は、幼稚園・保育園の費用について、リアルママの声も参考にしながら、解説します。

幼稚園でかかる費用

まず、幼稚園の費用はいくらかかるのでしょうか。文部科学省の調査結果(平成26年度「子供の学習費調査」)によると、1年間にかかる幼稚園の平均費用(学校教育費、学校給食費、学校外活動費)は、私立で約50万円、公立で約22万円となっています。

ただし、最新の調査結果は保育料(授業料)が一律だった平成26年度のもの。平成27年4月からは地域の実情に応じて、保護者の所得(市町村民税所得割課税額等)から保育料(授業料)を決める制度に変更されているので、注意が必要です。

幼稚園でかかる年間平均費用

例えば兵庫県伊丹市の場合、平成28年度から経過措置を経て段階的に保育料(授業料)が変更されていて、平成30年度には最終的な新利用者負担額(新保育料・授業料)が決定することになっています。保育料(授業料)は月額で0円~1万8,300円、第二子が半額、第三子以降の場合は所得に関係なく「0円」です。

さらに私立幼稚園については、市民税所得割額を算定基準として、30万8,000円を限度とした補助金が支給される場合があるほか、「ひょうご保育料軽減事業」と呼ばれる助成制度もあります。

このように、幼稚園の保育料(授業料)は、自治体によって大きく変わってきています。先輩ママの声も参考にしつつ、最新の情報をお住まいの自治体や希望する幼稚園に確認していきましょう。

保育園でかかる費用

認可保育園の保育料、月額平均は?

次に保育園の費用について、見ていきましょう。保育園に関しては、従来から所得に応じて保育料を定める仕組みになっています。では実際、所得によりどれくらいの違いがあるのでしょうか。厚生労働省の調査(平成24年「地域児童福祉事業等調査」)によれば、認可保育園の保育料で最も多いのは月額2万~3万円。一方で、所得に応じて月額1万円未満で済む人から、7万円以上かかる人も存在しています。

認可保育園の保育料は、「保護者の所得割合算(市町村民税所得割課税額等)」と「子どもの年齢、人数」によって決まります。自治体が用意している保育料の金額表にこれらの項目を当てはめて、ご自身の家庭ではいくらかかるのか、確認してみましょう。ただし、住宅ローン控除や配当控除等の税控除(調整控除は除く)の適用がある場合、実際の保育料は異なる場合があります。

所得割は、サラリーマン世帯の方で「給与所得等に係る市民税・県民税 特別徴収額決定通知書」(6月頃に会社から配布されることが多いです)、自営業の方で「市町村民税納付通知書及び課税証明書」によって、確かめることができます。

どんなお金がかかるの? リアルママの声

幼稚園や保育園の費用は、自治体や所得、それに子どもの人数によって違いがあります。しかし、実際どのようなお金が必要になってくるのか、実例も知っておきたいですよね。そこで、幼稚園・保育園に子どもを通わせているママたちに、かかった費用の詳細を聞いてみました。

私立幼稚園・パートママ(子どもが3歳の時に入園)

1.入園時の費用=7万2,427円
・入園検定料: 5,000円
・入園料: 3万円
・制服やバッグ、帽子や体操服などの男児一式: 2万9,060円
・学用品(3歳児): 8,367円

2.月々かかる費用=2万9,910円
・授業料: 1万7,500円
・教材費、備品費: 1,500円
・給食費: 6,800円
・英語指導費: 500円
・バス協力費: 2,900円
・PTA会費: 600円
・緊急メール費: 110円

3.その他(任意)
・音楽、英語などのオプション授業: 月3,600円~4,800円
・預かり保育が午後6時まで: 1日600円

4.補助金
私立幼稚園就園奨励補助金: 年6万2,200円

※その他、着替えや体操着、お弁当、給食用品類、水筒、ランチョンマットなどを用意する必要があったほか、通園用のラックや収納ボックスの準備などにもお金がかかったとのことでした
保育園・正社員ママ(子どもが1歳の時に入園)

1.入園時
・スモック、体操服ズボン: 2,000円

2.入園後
・保育料: 月6万円
・保護者会費(布団代含む): 年4,000円
・粘土などの工作材料: 随時、数百円

※保育料について、保護者の所得が変わらない場合は、3歳児で月3万2,300円、4歳児で月2万7,200円

※その他、布団や着替え、手提げカバンなどを用意する必要があったほか、子どもの送迎に使う自転車とヘルメットを入園前に購入したとのことでした

これらの例を見てみると、保育料以外に、保護者会やPTAの会費などが必要なほか、通園用品に加え「収納ボックスを準備した」「自転車やヘルメットを購入した」など、ママのための費用もかかっていることが分かります。入園準備には、思わぬお金が必要になることも。余裕を持って費用を準備できるといいですね。その上で、お子さんの入園や成長を、ぜひ楽しんでもらいたいと思います。

※イラストはイメージで本文とは関係ありません

著者プロフィール

マイライフエフピー代表 加藤葉子
子育て真っ最中のファイナンシャルプランナー。子どもを授かったことをきっかけに、教育費や学資保険の仕組みなどに興味を持ち、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、3年で子どもの教育資金を貯める。現在は、全国の女性からの教育費・老後資金・起業・離婚・投資なのお金の相談を中心に執筆・マネー講師として活動しながら、ファイナンシャルプランナーの育成にも力を入れている。自身のホームページ「女性とシングルマザーのお金の専門家」でもお金にまつわるお役立ち情報を提供している。