3月1日、2018年卒業の就活生を対象とした広報活動が解禁された。新卒採用を行う各社は同日より学生のエントリーを受付し、採用活動のための企業説明会を全国各地で開催する。

2018年卒採用の広報活動が解禁された(過去に開催された就職活動イベントの様子)

前年と同様のスケジュールで実施

2016年卒の大学生採用選考は、会社説明会などの広報活動の解禁時期を3年生の3月、面接などの選考活動を4年生の8月に後ろ倒しして行われたが、大学の定期試験や卒業研究を始めとする学業への影響や、真夏に採用活動を実施することに対する健康被害などが問題になった。

こうした状況を受け、経団連は2017年卒の選考スケジュールの見直しを実施。広報活動の開始を3月に、面接の開始を前年から2カ月前倒しする6月解禁とする方針とした。

2018年卒の選考スケジュールは、2017年卒と同じく3月に広報活動解禁、6月に面接開始、7月に内々定、そして10月に内定式となる。昨年度までは2年連続でスケジュールが変更され、学生からは「予定の組み方がわからない」「就活終了の見通しが立たない」と言った声が上がっていたが、今年は前年の動きを参考にできそうだ。

ただし、エントリーシート提出から面接開始までの期間は昨年同様、短期になるため、準備不足の学生は内定獲得のハードルが上がるかもしれない。

2018年卒就職活動のスケジュール

今年の就活生の傾向は?

スケジュールについて確認したところで、2018年卒の就活生の傾向を見てみよう。

「2018年卒 マイナビ大学生のライフスタイル調査」(2016年12月16日~2017年1月15日/学生3,924名を対象)の「就職活動における自分の最大の武器だと思うもの」という設問では、文系男子は「サークル活動・部活動の経験」が21.0%(対前年比3.6ポイント増)、文系女子は「忍耐力・粘り強さ」が15.7%(対前年比2.2ポイント減)だった。理系男子は、「学校で学んだ専門知識」が20.6%(対前年比0.5ポイント増)、理系女子では「学校で学んだ専門知識」が19.5%(対前年比3.3ポイント増)と前年よりも割合を高くし、最も多くなった。

就職活動における自分の最大の武器だと思うもの(「2018年卒 マイナビ大学生のライフスタイル調査」より)

「あなたにとっての就職活動を恋愛に例えると」という設問では、前年に続き、男女とも「自分の理想に最も近いのは誰なのか冷静に分析する」(男子:30.3%、対前年比4.1ポイント減、女子:33.8%、対前年比2.4ポイント減)が最も高い。2位は男女とも「最愛の人を振り向かせるために自分を磨く」(男子:23.5%、対前年比2.6ポイント増、女子:20.6%、対前年比1.0ポイント増)となった。

あなたにとっての就職活動を恋愛に例えると(「2018年卒 マイナビ大学生のライフスタイル調査」より)

調査を担当したマイナビ 社長室 HRリサーチ部 毛塚友也課長は、今年の就活生について次のように分析する。

毛塚課長「昨年と同じスケジュールということもあり、先輩の動きを参考にすることができる上、今年も継続して売り手市場で比較的就職しやすいという学生に有利な環境にある。しかし、その分ライバルも多い。そのため、気持ちの面だけでなく、他の学生とどう差別化するか、曖昧な事柄よりも、現実的、かつ具体的に伝わる経験や知識をアピールしようという傾向がある。調査でも、全体的に大学で学んだ専門知識やアルバイト経験を武器としてあげる学生が昨年よりも増えており、忍耐力などの精神論よりも、自分が学んできたことや、実際に自分が経験したことでないと企業に伝わらないと感じている学生が多いのではないだろうか」

面接などの「本番」が始まるのは3カ月後の6月から。そう聞くと、就活はまだ始まったばかりの印象があるが、説明会やエントリーシート作成などであっという間にすぎるその期間をどう過ごすかで結果は大きく異なると言えそうだ。