【レポート】

衝撃の"卒業"発表も、最後はふたり一緒に笑顔で元気なステージに - every♥ing! 2ndツアーファイナル公演レポート

1 重なりきらないからこそ、よりステージを輝かせるふたりの個性

  • <<
  • <

1/2

声優・木戸衣吹と山崎エリイによるユニット・every♥ing!の2ndツアーファイナル公演、「every♥ing! Fantasia-Show 2017 ~Lesson2 Sweet 19 Dream~」が2月12日、東京・品川ステラボールにて開催された。

every♥ing! 左から木戸衣吹、山崎エリイ

ロゴやグッズなどに「大人への階段を登る」象徴としてガラスの靴を織り込んだこのツアーのファイナル公演で、これまでのパフォーマンスの結晶を届けた彼女たちは、ライブ終盤で今年11月26日をもっての卒業(活動休止)を発表。本稿ではそのステージの詳報をお届けする。

キュートだけどちょっとオトナ、そんな"19歳"のステージ

開演直前、まずは影ナレではしゃぐふたり。それもそのはず、ここ品川ステラボールは、彼女たちが声優デビュー前に「ホリプロタレントスカウトキャラバン」の決勝で立ったステージなのだ。その思い出の地でのステージを前に、まずはこのツアーを振り返っていく。

そして、「every♥ing!?(ふたり)」「ファイトー!(観客)」、「品川ー?(山崎)」「いっくよー!!(ふたり)」とのコールを経て、ステージは暗転。interludeとともにステージ上ではミラーボールが回るなか、靴音と同時にステージ奥に垂れ下げられたカーテンに色がついていき、ふたりは手を繋いで登場。

「Shining Sky」からさっそく、かわいらしい振付と歌声でステージを彩っていく。1-Aメロのソロでは、それぞれのイメージカラーにステージが染まる照明演出もまたニクい。決めどころではふたり対称な振付をキメつつ、1サビ明けの間奏で、揃ったステージングに、差が出てくる。山崎がその振付にキレを増してキュートにキメていくのに対し、木戸はパフォーマンスに煽りを交えてうまく場内を盛り立てていく。そんなそれぞれの長所を分担しあって最良のステージを届けるのが、every♥ing!のスタイルなのだ――と、冒頭1曲で明確に提示してくれた。

続く「ハンドスター☆」は、フロアにマイクを向けてファンのコールからスタート。2サビ明けには、上手に木戸、下手に山崎に分かれて観客を煽る。そしてそのポジションはDメロで入れ替わり、曲ラストの「Yes!」では、今度は山崎がフロアにマイクを向ける。さらに続けての「DREAM FLIGHT」では、きれいな生ハモからスタート。Aメロでももちろん振付をきっちりふたり揃えつつ、Bメロでは機械人形のような細かい足運びを見せる。また、最後はふたりの手をあわせてハートを作り、とにかくキュートでラブリーな1曲だった。

ここでこの日の初MC。山崎は前述の通り始まりの地で歌えるうれしさを語り、木戸はツアータイトルの由来を「19歳という、大人にいちばん近いけど、なりきれてないこの時を大事にしよう」と語る。そして山崎も「every♥ing!らしからぬ、大人っぽい曲も今から!」と続け、「君の*Favorite*」でライブを再開する。

それぞれのソロパートでは、大人びた歌声を披露。ミドルテンポでちょっとだけ背伸びしたアイドルテイスト強めのナンバーだが、1サビ明けのポジション入れ替え時には木戸がちゃっかりハートを作ってファンへ飛ばしまくっていた。一方この曲の山崎はまさしく姫のような佇まいでありつつ、サビの振付中の指さしでのファンサービスも忘れない。ふたりともサビまではキリッと間奏ではスマイルと、メリハリの利いた表情変化を見せていた。

続く「バンバンファイター」では、山崎のパフォーマンスに驚かされっぱなし。CDの頃よりもさらにオトナな歌声の歌い出しに加え、サビラストのダンスの決まり方まで、この曲は完全に"持っていっていた"ように感じる。とはいえダンス自体は、サビ直前にタイトルよろしく指鉄砲で撃ち抜くフリを織り込むなど変わらずキュート。メロ部分では、木戸とのペアダンスもバッチリ揃う。

その山崎、曲明けには一気にオフモードに。そのギャップにやられているファンも、きっと多いのではないだろうか。一方木戸も「最後だからかみんなの熱気がすごくて、もう疲れちゃった!」と、屈託のない笑顔とともに率直にファンのパワーのすごさを受けての言葉を語っていた。

次々飛び出す、"新しいevery♥ing!"

こうしてMCパートで少々ゆったりとしたトークを挟んだら、「次のコーナーから、ちょっと一風変わったものを」と切り出し、ふたりの「ミュージック、スタート!」の声に合わせて流れ出したBGMとともに一旦降壇。すぐにキャップをかぶって再登場し、「ヒロイン」へ。曲前で練習(※1発OKに!)したファンからのコール・アンド・レスポンスもバッチリ決まると、ふたりともその勢いを受けて、キュートにラップを乗りこなす。そのリズムへは、ここでは木戸のほうがよりうまく乗りこなしているような印象。サビでの手振りもDメロのパフォーマンスも、もうノリノリだ。そのまま続いた「HELLO, NEW WORLD!!」では曲中の暗転でそのキャップの蛍光が輝き、どこか機械的な歌声やロボットダンスを織り交ぜた振付に、近未来感と浮遊感を感じられる仕上がりとなっていた。

この2曲を振り返り、「新しいevery♥ing!が、高校卒業後いっぱい!」とうれしそうな山崎。魅せ方などのこだわりについて語ると、同じく"魅せる"ものである衣装の話題に。なかでも、リボンをはじめふんだんにハート柄があしらわれた理由について、木戸は「もうすぐバレンタインなので、皆さんへのバレンタインプレゼント!」と語ってくれた。

そのままライブグッズの紹介へと移ったのだが、続く楽曲はその中のタオルを使う曲「風を追い越したくて」。フロアでもタオルが回るなか、イントロからふたりともタオルを回して楽しみきってはいたのだが、きれいに折って回してより効果的に観客を高めていく木戸に対し、どうしてもぶわっと広がってしまってうまく回せない山崎、という対比も見られる1曲に。しかしタオルを回しつつハンドマイクを使いながら、サビやキーフレーズにふたり手を合わせる振付が織り込まれているのは、目立ちはしないが難しいポイントだ。

そこからシームレスに、「水彩メロディー」へ。このミドルバラードでは、目立った振りはなく、可憐に歌い上げていく。また、2コーラス目に入ると、穏やかな微笑みで柔らかく届ける山崎に対し、どこか儚げな表情も織り交ぜる木戸というように、それぞれのアプローチの違いも見て取ることができた。それは曲明けのMCで山崎から語られたように、ふたりがevery♥ing!の歩みを思い出しながら歌ったから。そのまま、改めてこの思い出の会場に想いを馳せていた。

まるでふたりとの仮想デート? な終盤戦

……と、突然、木戸が「突然だけど、デートしたことある?」と山崎に問いかけると、「そもそも"デート"の概念とは?」という話題でファンを巻き込んだトークを展開。結果、続く楽曲「『ちゅるちゅるちゅちゅちゅ』のMV撮影でのウサオくんが初デート!」との結論に至っていた。その撮影秘話を明かしたところで、今度はファンのみんなとその「ちゅるちゅるちゅちゅちゅ」でのデートへ。イントロ中に一旦降壇して、every♥ing!はお色直しへ。

入れ替わりでステージには、『マルタの冒険』から木戸が声を務める主人公のうさぎの男の子・マルタが登場。ファンを盛り上げたところで、再登場したふたりとファンとのデートが始まる。ここでキュートさのギアを上げた山崎に思わず目が止まる一方で、やはりこの曲の細かいリズムへうまく乗って展開していく木戸のパフォーマンスも見逃せない。加えて間奏でのふたりの告白セリフでは、ファンの心を完全に撃ち抜いていった。

そこからさらに一気に場内のボルテージを上げたのが、「What is L♥ve?」。曲冒頭のコールから、ファン側の熱が高まって高まってしょうがない。そんな曲でも、聴覚で魅了することを忘れないふたり。愛らしい生ハモが入っているのはもちろん、曲に沿ってイケボを投入してくる木戸に、山崎の1サビ明けの「What is L♥ve?」で子猫のようなボイスなど、見どころ聴きどころがあふれまくりな1曲となった。最後は一緒にステージを務め続けてくれていたマルタを両サイドからきゅっと抱きしめて、"L♥ve"を表現。

3人では初となる記念撮影を済ませたところでマルタはステージをあとにし、いよいよライブはラストスパートへ。まずは「奏★奏Hpaay Tune♪」で、コールに包まれるなか再びダンスで良好なコンビネーションを見せるふたり。2サビのストーリーある振付も流れるような展開で、終盤の盛り上げの一段ロケットにふさわしい盛り上げ方をしてくれた。そのまま「ケセランパサラン」に突入。曲冒頭にてフロアから沸き起こったコールも、実にすさまじい。この曲では腕の振付のキレは木戸が秀逸で、それを活用して2コーラス目ではファンへ向けても手を振るなど、目にも楽しいパフォーマンスを見せてくれた。

そして本編ラストナンバー「さよならは言わない」では、曲冒頭でふたりは腕を組んで上手のお立ち台に。ここで木戸は完全に楽しくなってしまったのか、ファンを煽りすぎて山崎の手をつなぎに行くタイミングが遅れるひと幕も。落ちサビで手を繋いで向かい合って互いに"ここがまた新しいスタートライン"との言葉を送り合ったふたりは、曲を締めたのち手を繋いだステージを降りていった。

  • <<
  • <

1/2

インデックス

目次
(1) 重なりきらないからこそ、よりステージを輝かせるふたりの個性
(2) 涙の"卒業"発表と、笑顔のステージ
関連キーワード

人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事