CP+では毎年ブースを構えているEIZOだが、今年はCP+に合わせた新製品は一休み。そのぶん、セミナーや実体験を重視したブースの構成と内容だった。

EIZOブース

EIZOは多彩な液晶ディスプレイをラインナップしているが、CP+は「カメラと写真映像」のイベントなので、カラーマネジメント対応の液晶ディスプレイ「ColorEdge」シリーズがメインとなる。昨年のCP+2016では、アドビシステムズ、エプソン、キヤノンと共同で開発した「Quick Color Match」の体験が人気だったこともあり、CP+2017では一度に体験できる人数を増やした。

Quick Color Matchの体験スペースは、CP+2016では6人だったが、CP+2017では8人に拡大。初日から大勢の来場者が体験していた

Quick Color Matchを一言でいうと、カラーマッチング印刷をとても簡単に実現できるシステム。Quick Color Match対応のColorEdgeシリーズ、アドビシステムズのソフトウェア(Photoshop CSなど)、エプソンかキヤノンの対応プリンターを使う。数回のマウスクリックだけで、画面で見ている写真とほぼ同じ色合いできれいに印刷できる。

EIZOブースの体験コーナーは、エプソン製プリンターで出力するエリアと、キヤノン製プリンターで出力するエリアがあり、どちらでも試せた。例年、EIZOブースは熱心な来場者が多く、今回も両方のエリアを試す人や、スタッフに突っ込んだ質問をする人が目に留まった。

では、Quick Color Matchの流れを簡単に

Quick Color Matchのダイアログを使って、印刷したい画像を読み込む。写真のアプリケーションはPhotoshop CS

エプソン製プリンター、キヤノン製プリンターのプラグインを起動(写真の例はエプソン)

あとは印刷するだけだ。プラグイン画面(印刷実行の手前)で多少の設定は可能だが、変更する箇所や必要性はほとんどない

また、主に映像ジャンルでの使用を想定したColorEdgeシリーズの展示では、4K HDR表示(PQ方式)のデモンストレーションが注目を集めていた。

ColorEdgeシリーズの大きな特徴として、さまざまな色空間を高精度にカバー、もしくはシミュレーション可能な点があり、デモ機材の「CG318-4K」は「PQ1000」「PQ300」というモードを持つ。詳細は割愛するが、数字は映像の輝度レベルを表す。基本的にはPQ1000モードで編集作業を行い、暗い部分はPQ300モードで確認しながら進めるイメージだ。

4K HDR映像のデモ

実際にいくつかの4K HDR映像を見たところ、やはりシャドウとハイライトがわかりやすい。映像ソースによるとはいえ、黒つぶれと白とびがまったく気にならず、微妙な階調を見た目で確認できる。最近はテレビ機器や映像コンテンツのHDR対応が加速しており、間近で触れるとその良さをはっきり実感する。一般家庭に広く行き渡るのも、それほど時間はかからないのではないだろうか。