電気・水道・ガスが止まった時、食事はどうすればいいだろうか。「そんなの分かるわけねえだろ」と思う人の方が多いかもしれない。しかし、そのような非常事態が絶対に起こらないとは言い切れないのが現在の日本。そんな非常時のために、警視庁警備部災害対策課は公式Twitterで「水漬けパスタ」を紹介していた。緊急時に困らないよう、筆者もそれを実際に試してみよう。
作り方は非常に簡単。パスタが入るくらいの大きさの容器に水を張り、そこにパスタを入れて4時間待つだけ。早速漬けてみた。
1時間経過
ちょっと白くなってきたが、まだ固い。
2時間経過
少し柔らかくなってきたが、まだ芯が残っている。
3時間経過
芯がなくなり、生パスタのような食感に。この時点でもう食べられそうだ。
4時間経過して水抜きしたパスタ
くったりとして、もちもちとした麺になっていた。
調理してみよう
4時間漬けたパスタを薄切りしたハム、タマネギと一緒にケチャップで1分ほど炒めたのが警視庁警備部災害対策課の紹介していたレシピだったが、筆者の家に常備している野菜やハムなどはなく、あるのはパスタソースのみ。よって今回はパスタソースを一緒にいためてることにした。本来はカセットコンロで仕上げるものだが、諸事情のためIHクッキングヒーターを使用する。
まずは、カルボナーラを作ってみよう。水漬けパスタを火に通すと、白っぽくなった麺がいつものつやのある黄色に戻ってくる。1分間いためただけでは、まだ4割くらいしか火が通っていなかったため、実際は3分くらいかかった。カルボナーラソースは沸騰した湯に入れるレトルトタイプだったが、温めるほど湯を用意できない状態を想定し、フライパンにそのまま入れてなじんできたら完成だ。
出来上がったパスタを食べてみると、麺は「少しゆですぎたかな?」と思うような食感だった。水に長時間漬け込んだだけで、ゆでたパスタを再現てきているではないか。少し固めがいいという人は3時間くらいで十分かもしれない。
続いてはミートソースで試してみる。こちらもカルボナーラと同じく火が通ってきたところで、ソースを入れて軽くいためれば完成だ。
ミートソースはもっちりとした麺と相性がよく、ナポリタンのよう。個人的にはカルボナーラよりも、トマトベースのソースの方が「水漬けパスタ」に適しているように感じられた。
パスタと300ml程度の水、カセットコンロさえあれば実践できる「水漬けパスタ」。東日本大震災に被災して電気・ガス・水道が止まったことのある筆者からすれば、物資の限られた中でも作れる有用なレシピだと思えた。当時は菓子パンや干しいもなどを食べるしかなかったが、これがあれば不安な気持ちをやわらげてくれたかもしれない。
もちろんこれは、金欠時にも使えるレシピでもあるので、給料日前に試してみるのもオススメだ。備えあれば憂いなし。万が一の時のために、パスタを常備しておくのもいいだろう。