2月23日から神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催されているカメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+2017」。本稿では、今年100周年を迎えるニコンイメージングジャパンのブースの様子をお届けする。

今年はブースの規模を少し縮小し、製品展示もほとんど行わないスタイルを採っている。そのぶん、ステージを使ったプロカメラマンによるプレゼン、セミナーと、プレゼンテーションカウンターで製品やレンズを試したりできるハンズオンコーナーが充実している。

例年キヤノン、ソニーと同じ大規模なブースを構えるニコンだが、今年はコンパクト。新製品の発表がないということもあるが、ユーザーが触って使える、ためになるという部分に重点を置いているようだ

まず前面に置かれているのはアクションカメラ「KEYMISSION」のブース。まだ一部の量販店など限定的な展開ではあるものの、今後のニコンの未来を占う意味では注目したい製品だ。発売されている製品「KEYMISSION」の「80/170/360」の三機種とアクセサリーが一通り展示されており、さらにKeyMissonで撮影した動画を使ったヘッドマウントディスプレイによる体験コーナー、編集ソフトの紹介も行われている。

ニコンの将来を担うかもしれないアクションカメラ「KEYMISSION」の展示。すでに発売されているマウントアダプタなどたくさんのアクセサリ類が紹介されている

ヘッドマウントディスプレイが設置されたコーナーは、「KEYMISSION 360」を使った360度 4K UHDムービーが体験できる。3Dムービーは撮影されたすべての映像の中から視野角部分だけを切り取ったものが表示されるため、動画が高画質であればあるほど美しい映像体験となる。KEYMISSION 360は4Kで撮影し、PCを使った加工をしなくてもYouTubeへアップロードできる(スマートフォン経由)など、画質や使い勝手にこだわった製品になっている。

ヘッドマウントディスプレイをつけてKEYMISSION 360で撮影された動画を体験できる。4Kで撮影された映像は美しい

一眼レフのレンズフードにマウントアダプタを取り付けた例。この状態で撮られた映像を加工する環境なども紹介されている

その隣、「PAST AND FUTURE」と名付けられたコーナーには100周年を迎えるニコンの歩みがヒストリーボードと共に展示されている。表側にはニコンI型やFなど往年の名機が並び、同社の歴史を見ることができる。

ニコンの100年の歩みを年表と当時の製品と共に見ることができるコーナー

ニコンI型、ニコンFなど往年の名機も展示されている

そしてこの裏側には今年発売が予定されている100周年記念モデルが参考出品されている。用意されているのは双眼鏡、D500、D5、そして12-24/24-70/70-200mmの大三元レンズのセット。カメラ類にはそれぞれ100周年記念ロゴが入り、革製のストラップと黒いハードケースが用意される。実際の発売時期や仕様はまだ確定ではないようだが、ロゴ入りのアクセサリ類は魅力的だ。

フラッグシップモデル D5の100周年モデルには特製のロゴ入りストラップが用意される予定

D500も100周年モデルが用意されている

12-24/24-70/70-200mmの大三元レンズのセット

双眼鏡にもロゴ入りのものが用意される予定だ

マウントカバー、本体横にもロゴが入り、ロゴ入りのハードケースがカメラ類には用意される予定だ

「THE IDENTITY」のコーナーはプレゼンテーションカウンター。現在発売されているニコンの全製品を触って試すことができるようになっている。COOLPIXからニコン1、DシリーズとNIKKOR(ニッコール)レンズのすべての製品が揃い、触りながら説明を受けることができる。

プレゼンテーションカウンターではニコンのプロフェッショナルによる製品説明が行われ、手持ちのカメラとレンズを合わせて試したりすることもできる

普段はなかなか触れない超望遠レンズも用意されており、画角を確かめることができる

ステージは「THE PASSION」ステージと「THE JOY」ステージの2つ。どちらのステージでも1日に7つほどのプレゼンやセミナーが開催される。どのセミナーも好評で多く、立ち見となっているので、聞きたいものがある場合は早めにブースに行ってみよう。

ステージは2つあり、それぞれで別のプレゼンが行われている。常に立ち見が出るほどの人気だ

KEYMISSIONの解説も行われている。ドローンやジンバルで動画をどうやって撮るかなど実践的な解説は今後使ってみたい人には参考になるだろう

新製品がなく派手さに欠ける展示ではあるかもしれないが、質実剛健という点ではニコンらしい内容と言えよう。興味のあるレンズや機種などがあれば積極的に触ってみるのをお勧めしたい。