4月19日にDVD&Blu-rayが発売される、Vシネマ『ゴースト RE:BIRTH 仮面ライダースペクター』の完成披露上映イベントが19日に開催され、主演を務める仮面ライダースペクター/深海マコト役・山本涼介をはじめとするメインキャストと、本作が長編ドラマ初監督作となる上堀内佳寿也監督が登壇し、上映終了後の舞台挨拶を行った。

左から、柳喬之、大沢ひかる、工藤美桜、磯村勇斗、山本涼介、西銘駿、ジェームス小野田、マーシュ彩、上堀内佳寿也監督

本作は2016年に終了したテレビシリーズ『仮面ライダーゴースト』の、初のスピンオフ作品。ゴーストを助けて"眼魔"と呼ばれる異世界の怪物と戦った仮面ライダースペクター/深海マコトを主役に、『ゴースト』最終回の"その後"を描いたストーリーが展開されている。「眼魔の世界」を再建するべく、仮面ライダーネクロム/アランと共に旅立った深海マコトと妹・カノン。しかし、そんなマコトを苦悩のどん底へ突き落す事態が発生する。大いなる"罪"を背負ったマコトを待つ、過酷な運命とは何か……。

仮面ライダースペクター/深海マコト役を演じた山本涼介は、本作でマコトの衝撃的な秘密がいくつも明かされたことについて「本当にびっくりしました。でも、テレビとは違うマコトの表情や感情が出せるのではないかなと思って、日々の撮影が楽しみでした」と、マコトの新たな一面を引き出せたことに手ごたえを感じていた模様。上堀内監督とは「毎シーン、始まるたびに相談をさせてもらいました。芝居について違うときはストレートに違う!と言ってもらえたり、迷ったり悩んだりしたときはしっかりと時間を取ってくれたり、助けていただきながら撮影に臨みました」と、互いの信頼関係の大切さを語った。

マコトを「マコト兄ちゃん」と慕い、頼もしい味方として共に戦った仮面ライダーゴースト/天空寺タケル役・西銘駿は「ふだんのマコト兄ちゃんの表情とは違いましたね。ふざけることなく、いつも下を向いてて」と、主演ということで山本の演技にただならぬ気合いを感じたことを明かした。本作のタケルは、クロエといい雰囲気になるとのことで「上堀内監督からは、タケルがクロエに"惚れている"みたいな顔をしてと言われたのですが、そういう(恋愛)芝居をテレビではやったことがないので、かなり考えながら演じていました。仮面ライダーに出ている感じじゃなく、恋愛ドラマの気分でした」と、少々照れながら話していた。

仮面ライダーネクロム/アラン役・磯村勇斗は「上堀内監督は、役者の心にスッと入ってくるんです。壁もなく、幽霊のように(笑)。芝居に対して親身に向き合ってくれます。アラン英雄伝のときから大ファンです」と、自身が主役を務めたBlu-ray特典映像『アラン英雄伝』以来の上堀内監督作へ出演できた喜びを語った。本作では、カノンとアランとの関係に何やら進展がある?と問われると、かなりあわて気味に「あのシーンでは僕ももうろうとしていたので、覚えていないですね」と答え、客席の女性ファンを沸かせた。ラストでは、アランが群集へ向けて大演説を行う場面があるが、磯村は「あの場面は僕自身がセリフを考え、1年間『ゴースト』で演じてきた思いをすべて込めることができた。いい場所を与えてくれたとしみじみ思いました!」と晴れやかな顔で語った。

大天空寺の住職代理として日夜修行に励むテンション高めの僧・御成を演じた柳喬之は、トレードマークだった坊主頭からずいぶん伸びた頭髪を指さし「(自分が御成だと)わかります?」と言って観客の笑いを誘ったのち「本作では、若干のフォームチェンジを経て出演させてもらいました」と、テレビ本編とは一味違う本作での御成の姿(コスチューム、頭髪)を見てほしいとアピールした。

タケルの幼なじみで、眼魔に対しても果敢にビンタを食らわす強気な理系女子・月村アカリ役を演じた大沢ひかるは「本作ではウィッグをつけて、お姉さんの雰囲気で出演しています」と、こちらもイメージチェンジを強調。撮影現場の話としては「期間が短かったので、日程的にマーシュちゃんとは一度も会えなかったんです。女性キャストが少ないので、そこが残念でした」と話しつつ「イゴールとはずっと一緒で、夫婦漫才のようなことができてよかったと思います」と、テレビでも評判だった眼魔世界のイゴールとのコミカルな掛け合いが本作でも見られることを明かした。

マコトの妹として『ゴースト』テレビシリーズで可憐な存在感を発揮したカノン役・工藤美桜は、初の舞台挨拶の場で緊張しながらも「いつものみんなと一緒なので心強い」と、1年間の撮影を共にした仲間との再会に安堵の表情を見せた。撮影については「いつもと髪型や衣装が変わっていたので、演じていて楽しいなと思いました」と、まぶしい笑顔で語った。

本作のキーパーソン、眼魔世界の創設メンバーのひとりダントンを演じたジェームス小野田は「最初にお話を聞いたときはビックリしました。45年前に『仮面ライダー』(第1作)を観ていましたから、まさか私が(仮面ライダーシリーズに)出られるなんて……! と、感謝感激雨あられでした。また台本を読んで、こんなに出番があるのかと驚きました。いいんですか、私こんなに出ちゃって(笑)」と出演の喜びを表しながら、本作の重要キャラクターとしての堂々たる存在感を発揮した。撮影の裏話としては「撮影初日がすごかったんですよ。最初のシーンと最後のシーンを同じ日に撮ってましたからね。けっこうなプレッシャーでしたけれど、監督からアドバイスをいただいてこなすことができました」と、終始堂々としたダントンを演じきったことに自信をのぞかせた。

マコトを兄と呼ぶ謎の少女・クロエを演じたマーシュ彩は「私は人見知りなので、現場でみなさんと馴染めなかったらどうしようと思っていましたが、みなさん優しくて撮影は楽しかったです」と、撮影の思い出を語った。マコトの「妹」つながりで、カノン役の工藤とは現場ですぐ仲良しになり、一緒に遊びに出かけることもあったという。

助監督として『ゴースト』テレビシリーズに関わり、本作で初の長編演出デビューを飾った上堀内佳寿也監督は、山本の演技について「普段はこんなこと言わないんですけど」と前置きしつつ「すばらしかった。テレビ本編で1年間やってきたものの上にさらに積み重ねるかのように、ここまで表情や感情を出してくれる役者さんと一緒に作品を作ることができたのは幸せ」と絶賛した。本作に続いて、もしも次のスピンオフがあるなら?という問いに対しては「柳くんでしょう! せっかく髪が伸びたけど、また坊主にしてね(笑)。その場合は、タイトルが『仮面ライダー坊主』になり、監督は諸田(敏)さんになります!」と、いたずらっぽい笑顔で次回作実現への希望と強い意欲を見せた。

舞台挨拶の最後には、翌2月20日に19歳の誕生日を迎える西銘へのバースデーサプライズとして、山本よりプレゼントが贈呈される一幕があった。品物は「目指せ真のイケメン!」ということで、ゴーストカラーであるオレンジ色のフード付きトレーニングウエア。山本によると「作品に入る前の体力作りなど、自分の身体をコントロールしないといけないことが増えてくるので、そんなときに使ってほしい!」とのこと。客席の子どもたちからも「おめでとう!」の声援が飛び、感激した西銘も最高の笑顔で応えていた。

Vシネマ『ゴーストRE:BIRTH 仮面ライダースペクター』は4月19日よりDVD&Blu-rayがリリース。セル商品は「通常版」に加え、初回生産限定として「シンスペクターゴーストアイコン版」が同時発売される。また、5月には講談社キャラクター文庫『小説 仮面ライダーゴースト ~未来への記憶~』の発売が決定。メインライター・福田卓郎氏の完全書き下ろしストーリーは、テレビシリーズ&映画の補完と、Vシネマの後日譚が語られる。巻末には『仮面ライダーゴースト』ストーリーの全史を開設した「仮面ライダーゴースト 魂の記憶」も掲載されるという。

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