2016年10月期のTVアニメ『ユーリ!!! on ICE』のスタッフ、キャスト陣によるトークショーと全12話の一挙上映イベント「まだまだ滑走しちゃうよ! 『ユーリ!!! on ICE』トークショー&オールナイト上映会」が2月11日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催され、原案の久保ミツロウ、キャストの豊永利行、諏訪部順一、内山昂輝らが登壇した。

「まだまだ滑走しちゃうよ! 『ユーリ!!! on ICE』トークショー&オールナイト上映会」

今回のイベントは、全国48館という大規模なライブビューイングが行われたにもかかわらず、チケット争奪戦が熾烈を極めた。本会場には、手作りの横断幕を飾るファンの姿も見え、開演前から熱気に満ちていた。開演後、それを裏付けるように、久保がステージに登場するやいなや、「控室と温度が違いますね」と笑う。続けて勝生勇利役の豊永、ヴィクトル・ニキフォロフ役の諏訪部、ユーリ・プリセツキー役の内山が登壇。諏訪部は片手にヴィクトルの愛犬であるマッカチンのぬいぐるみティッシュケースを携えていた。

豊永利行

トークショーはまず、アニメ放映を振り返るパートからスタート。豊永は、勇利という役について「計算して演技をつくるとどうしても上っ面だけになってしまうので、なるべく心で演じたいと思っていました。だから、6、7話あたりからあまり演じていた記憶がないんです。後からオンエアを見て、『すげー泣いてんな』って客観的になっていました」とコメント。

そして、ヴィクトルとして共演した諏訪部に対し「諏訪部さんと一対一でお芝居ができたことが光栄。お陰様で、今すごく仲良くさせていただいています」と愛を伝えるも、諏訪部は「そうかな?」と突き放す。仲良くなったからこそのやりとりが、どこかヴィクトルと勇利を思わせた。内山はユーリという役について「ユリオ(ユーリの愛称)は外見も心境も変化が大きくて、演じる上ではそんなに意識を大きく変えていたわけではないですが、変わっていくユリオに演技がついていったのかな」と振り返る。

内山昂輝

アニメをもう一度見返す時のポイントとして、豊永は「第1話、最初の勝生勇利のモノローグは、いつの勝生くんが話しているんだろうって考えながら見ると、また別の楽しみ方ができます」とファンに提案。実は音響監督から具体的にいつの勇利のセリフかを指示されて演じたそうだが、それがいつなのかはあえて内緒だそう。また、諏訪部も「ヴィクトルの感情の変遷について、観ている方はさまざまな想像をしてくださっていると思いますが、僕がどう考えて演じていたか、あえて語る気はなくて、観た方一人ひとりの中にいるヴィクトルが、それぞれで正解なんです」と話した。

続いて、アニメ中の名言、名シーンについて聞かれると諏訪部は、第7話で勇利がヴィクトルに対し、「僕が勝つって、僕より信じてよ」と懇願するシーンを挙げ、「一視聴者として心を掴まれた」と発言。内山はユーリが放った「豚に食わせる金メダルはねえ」などの豚に関連したセリフがどれも印象的だったようで、「『家畜からもらった指輪はただのガラクタだ』……よく思いつきますよねあのセリフ」と久保に投げかける。久保からは「終盤になるとユーリにはより強くヴィクトルと対峙してもらいたかったんです。だから、『かつき、かつき、かちく……家畜だ!』って(笑)」と回答され「天才だわ……」と感嘆していた。

諏訪部順一

衣装についての話題になると、豊永から「イ・スンギルのマンボ風衣装はなぜこれをチョイスしたのか彼に聞いてみたい」という声が。諏訪部も「僕はポポーヴィッチの王子様風衣装が好き。男性的な体格と衣装と演技がミスマッチしていてそこが彼の魅力。男性スタッフ人気ナンバーワンは伊達じゃない」とポポーヴィッチへの愛を語った。すると、久保から「男性スタッフ人気ナンバーワンは途中までポポーヴィッチだったんですけど、オタベックに変わったそうですよ。やっぱり頼れるって」と暴露され、豊永が「ポポちゃーん」と悔しげな声を上げた。

また、ステファン・ランビエールが最終回のアフレコに参加した際のエピソードとして、久保は「ヴィクトルのゴールドのブレードは、ステファン・ランビエールさんのゴールドのブレードを意識していたので、念願叶って生で見させていただくことができました」と興奮気味。

久保ミツロウ

放映終了後に監督と一緒にフィギュアスケートのヨーロッパ選手権をチェコまで観戦しに行ったという久保。「2期の取材というわけではなく、もともとアニメが終わったら監督と行きたいところに旅行しようと決めていた」とのことだが、そこでDVD全巻購入特典の漫画のアイデアを監督と膨らませてきたと言う。詳細は話せないが「内山さんには満足していただけるかなと思います」「ユリオが、バルサで……」と何とも気になるコメントを残した。現地では『ユーリ!!! on ICE』ファンのチェコ人女性達にも会ったと言う。

久保だけでなく、豊永や諏訪部も放映終了後に世界中から手紙やTwitterなどで反響をいただいたと嬉しさを語る中、内山は「スケートファンの友人からもリアルだったとお墨付きをもらえたのも嬉しかったですね」とコメント。それに対し、諏訪部も「リアルとファンタジーがいいバランスの作品だったよね。完璧にリアルを描くだけでなく、夢の部分も入っているからこそ観ている方も想像を膨らませることができたと思います」と振り返った。また、テレビ局への納品がいつもギリギリになっていたほど毎回最後までこだわり抜いて制作され、最終話のカット数は通常のアニメの2倍にもなったほどにスタッフの情熱溢れる作品づくりだったと久保から明かされた。

最後はTwitter上で寄せられた質問に答えるコーナーへ。質問とそれに対する回答は以下の通り。

●勇利、ヴィクトル、ユーリを描くときの久保さんのこだわり、ポイントは?
久保「髪型と目だけでざっと簡単に描いてもキャラクターが伝わるような描き分けを心がけました。ユリオに関しては、私の好きな「金髪碧眼キャラ」の系譜が影響していますね。『魔動王グランゾート』のラビとか『聖闘士星矢』の氷河とか(笑)」

●自分がフィギュアスケート選手だったら作中の誰にコーチをお願いしたい?
豊永「僕はヴィクトルですね。ただ、たまに本気でイラッとする時ありそう。または、J.J.のお父さんとお母さん。すごい優しそうじゃないですか」
諏訪部「一番コーチとして優秀なのはユーリもヴィクトルも育てたヤコフかな」
内山「ヤコフとリリアさんが好きですね。昔からの関係も面白いし、この2人とユリオが3人で並ぶと絵が強いし疑似家族感もあるので」

●第11話でクリストフ・ジャコメッティを迎えに来た男性は誰ですか?
久保「スイスのスケート連盟の方。ひょっとしたら元アイスダンサーかも。名前は決めてないですが、キャラデザを見た時に『ガラスの仮面』の真澄さんみたいだなと思ったので、個人的には心の中で真澄さんと呼んでいます(笑)」

●やってみたいフィギュアの技はありますか?
豊永「(ポーズをとりながら)こういうやつやりたいです」
久保「ハイドロ(ハイドロブレーディング)ですね」
豊永「あれをやっている時にどんな景色が見えているのか気になりますね」
諏訪部「僕はジャンプですかね。100回転くらいしてみたいです」
内山「やりたいっていうのは特にないですけど、スピンがすごいですよね。目が回らないんでしょうか」

そして、最後の挨拶では、内山は「今日も尺が足りなかったな、と。まだまだ話したいことがありすぎて、作品の可能性を感じました」と終わりを惜しむコメントをし、諏訪部は「ヴィクトル、そしてマッカチンは大好きなキャラクターです。皆さんの応援があればまた演じられる機会があると思いますので引き続きよろしくお願いします」とファンに向け次への期待を煽った。

豊永が、この後の上映会に向けて「この後の応援上映、ぜひ楽しんでください。一番応援して欲しいのは『私は悪い魔女』と言うポポーヴィッチ(笑)」とコメントすると、諏訪部が、BGMで流れていたEDテーマの『You Only Live Once』を歌っているのがポポーヴィッチ役の羽多野渉であることを踏まえ、「今流れているのを歌ってる人だとは思えないよね」と言い、笑いを誘った。久保は「この作品は、受け取った方々の心の中でどう完成するかが一番大事だと思っています。この後の上映会ではJ.J.のテーマソングを頑張って英語で歌ってください」とコメントし、ステージを去った。

イベント当日に初解禁された新しいキービジュアル

トークイベント後の上映会では、豊永らの話題に影響されたのか、イ・スンギルの衣装や、メイクが施されたポポーヴィチが映ったシーンで会場に笑いが起きていた。また、試合シーンでは「ガンバー!」という声援や拍手、手拍子が起き、実際のフィギュアスケートの観戦に立ち会っているような臨場感も。SNSで話題になったヴィクトルとユーリのキスシーンや教会の前で指輪を交換するシーンでは悲鳴が上がり、ファンの一体感を感じた。全12話の上映が終わり、「SEE YOU NEXT LEVEL」と映し出された明け方の会場は、温かな拍手に包まれ、放映が終了しても冷めやらぬファンの熱と、次の展開への期待がうかがえたイベントであった。

『ユーリ!!! on ICE』Blu-ray & DVD第3巻が2017年2月24日(金)発売 [価格] Blu-ray 7,000円/DVD 6,500円(各税抜) [特典] ・久保ミツロウ描き下ろしチケットケース ・特製ブックレット [特典映像] ・コレオグラファー・宮本賢二によるアニメ用フィギュアスケート振付映像 ・第6話オーディオコメンタリー(出演:諏訪部順一×久保ミツロウ) [仕様] ・キャラクターデザイン平松禎史描き下ろしジャケット

(C)はせつ町民会/ユーリ!!! on ICE 製作委員会