"ソーシャルアパートメント"の遺伝子は?

「UNWIND」の運営会社は、都内を中心に「ソーシャルアパートメント」を展開するグローバルエージェンツだ。ワンルームマンションに豪華な共用部を備えた「ソーシャルアパートメント」は、プライバシーと住民同士の交流を両立させた物件として若年層から高い人気を得ている。

同社によるホテルは「UNWIND」が3軒目で、これまでも東京・根津に「HOTEL GRAPHY」、沖縄・那覇に「ESTINATE HOTEL」を展開してきた。どちらもインバウンド需要を強く意識しており、「HOTEL GRAPHY」はその魅力として共用部でのゲスト同士の交流を押し出している。「ESTINATE HOTEL」も、単なる宿泊場所ではなく「情報交換によって次の行き先が決まる場所」というコンセプトなので、やはりゲスト同士の交流というソーシャル面が強調されたホテルだ。

東京・根津の「HOTEL GRAPHY」は、ゲスト同士の交流を強く押し出したホテル

沖縄の那覇の「ESTINATE HOTEL」。レセプション階で自由に交流できるつくりになっている

今回オープンした「UNWIND」は、その2ホテルほど交流を強く押し出してはいない。どちらかというと、山小屋のような客室でコーヒーでも飲みながらゆったりする過ごし方が似合うホテルだ。しかし、同社らしく「交流を求める人はここに行けばいい」という場所はきちんと用意されている。最上階の10階に位置する「BAR IGNIS(バー イグニス)」である。

ゲストのラウンジ的存在、10階「BAR IGNIS(バー イグニス)」

10階BARは道産がワイン飲み放題!

「BAR IGNIS」は、17:00~19:00(L.O.18:30)には宿泊者限定でなんとワインが無料で飲み放題! 道産ワインを中心に取りそろえ、地産地消にもなっている。19:30~23:30(L.O.23:00)にはバーとして営業し、カウンターでバーテンダーや居合わせたゲストと話すもよし、同行者とソファに座って旅の夜を過ごすもよし、暖炉のそばに陣取って1人で物思いにふけるもよしだ。

17:00~19:00にはワインを無料で提供!

席のタイプもいろいろ。好きな過ごし方ができる

内装にも客室同様こだわっている。先ほど「暖炉のそばに陣取って」と簡単に言ったが、1階と同様、ここでも本物の炎で暖を取れるのだ。暖炉の上に掛けてある時計はアンティークの品で、調度品を眺めているだけでも楽しい。

1階の暖炉は薪ストーブだが、こちらはバイオエタノールが燃料。暗闇の中に炎が揺らめくさまは見とれてしまうほど幻想的だ

アンティークの調度品にも注目

また、筆者が訪れた日は、広いバルコニーにスタッフお手製のかまくらが作られていた。遊び心からのおもてなしに心も暖かくなる。なお、このスペースは5月以降、ルーフトップテラスとして整備・開放されるという。

窓から見えるバルコニーには、ライトアップされたかまくらが。よく見ると小さな雪だるまもいる

夕食は外で

さて、ホテルの楽しみといえば食事もその1つだが、「UNWIND」では「BAR IGNIS」の軽食を除いて夕食の用意がない。せっかくすすきのが近いのだから、夜は外に繰り出して北海道の海の幸を堪能してほしい、というわけだ。実際、札幌は普通の居酒屋の魚介類が本当に旨い!

夕食は外に繰り出してとる。筆者も一人居酒屋を楽しんだ。人気店でも1人だとカウンター席に滑り込めたりする

筆者も前々から行ってみたかった居酒屋があったので、無料サービスのワイン(これも美味だった)を2杯飲んでから1人ですすきのへと繰り出した。旨い魚介と酒を堪能してホテルに戻り、「BAR IGNIS」で窓際の席に座ってぼーっとしていたらカウンター席から「よかったらご一緒にどうですか」と誘われる。そうして、思わぬ人と思わぬ話で盛り上がるのもまた旅の醍醐味(だいごみ)である。

最後は、「UNWIND」の真骨頂である朝食について紹介する。