フランス発のスマートフォンベンチャー、Wiko(ウイコウ)が日本市場への参入を表明した。第一弾スマホとして「Tommy(トミー)」を2月25日に発売する。フランスほか欧州で人気のスマホベンチャーだが、日本でも成功を収められるか。

ウイコウ初のベンチャーは日本のスマホ市場で成功できるか

フランス発のベンチャー

ウイコウは2011年、フランスのマルセイユでスタートしたモバイル端末ベンチャー。現在は、ヨーロッパ、アジア、アフリカの世界33カ国で展開し、日本は34カ国目となる。フランスではシェア2位、ポルトガル、イタリア、スイス、オランダ、スペインなどの西ヨーロッパ各国でシェア5位以内に入っている人気を得ている。2014年にはマレーシアなどのアジアにも進出。フレンチブランドをもって、2016年には累計1000万台を販売したという。

ウイコウは2011年にスタートしたベンチャー。2013年にフランス2位、翌年には世界21カ国へ進出。目下、日本を含めると世界34カ国での展開

まさに"イケイケ"なスマホベンチャーのウイコウだが、日本市場へは、MVNO市場の人気の高まり、先進的な通信インフラを展開する日本で得られるノウハウの大きさを目当てに参入を決めたという。問題は第1弾機種「トミー」でいかに存在感を示せるかであろう。

日本参入の正否を占う

日本においてSIMフリースマートフォンの選択肢は広がっている。なおかつ、大手携帯キャリアの販売端末もMVNOで利用することができる(SIMロック解除が必要な場合も)。競争が激しい中で、存在感を示せるか否かは、今後の展開をも大きく左右すると見られるからだ。それを占う上で、端末の魅力、ターゲットの2つの側面から分析してみる必要がある。

日本市場第1弾端末の「トミー」。コーポレートカラーのブリーン(上画像)加え、全6色で展開する

まずは、端末のスペックについてだが、実はそれほど特筆すべきことはない。トミーは、エントリーモデル的な位置づけとなっており、スペック自体は控え目で、数年前のハイスペック~ミドルスペックの印象が強い。ただし、スペックを見る限り、スマホ初心者が不満を感じることはなさそうだ。なかには、高音質通話のVoLTEに対応するといった意外な側面も持っている。

最大の特徴はスペックではなく価格にある。市場想定価格は税別14,800円でまさに格安スマホと呼べる手頃な価格となっている。ウイコウとしては、この価格設定と、端末のカラーリングのオシャレさ、そして"フランス"という言葉に含まれるオシャレ感の強さを武器に売り込みたいようだ。