都市部の日常生活ではあまり必要を感じないことから、自動車の保有率は下がっています。とはいえ実家へ帰省したときや友人たちと出掛けるときなど、免許証を保有している人なら"ちょっと"運転する機会は皆無ではありません。そんなときに備えて、短期間でも加入できる自動車保険について知っておきましょう。

任意保険に加入しているのは、当たり前?

いまどき任意の自動車保険に加入していない車なんてないのでは? と思う人も多いでしょう。損害保険料算出機構が公表している「自動車保険の概況(平成27年度)」を見ると任意保険(共済含む)の加入率の全国平均は87.6%。これを多いと見るか少ないと見るかは難しいところですが、1割強の車は任意保険に加入していないことは認識しておいた方がよさそうです。

逆をいえば9割近くの自動車は任意保険に加入しているので、心配する必要はないと思うかもしれません。ところが、加入しているからといって安心はできないのです。

加入していても保障されない場合も

最近の自動車保険は加入要件を細かく設定することで保険料を抑えることができるように設計されているため、加入内容によっては保障されないケースもあります。

例えば年齢。年齢条件は全年齢補償、21歳以上補償、26歳以上補償の3区分が基本で、保険会社によっては26歳以上を更に細かく区分している場合もあります。保険料は年齢が若いほど高くなりますから、自動車保険に加入する車両を運転する人のうち、最も若い人の年齢を設定するのが基本。ということは、実家の保険では自分は対象外ということもあり得ます。

ほかにも友人たちと出掛けたとき、運転を代わるというのもありがちな場面です。友人は同じ年だから……と考えるのは早計です。自動車保険の適用範囲は、親族のみ、配偶者のみ、同居の有無など思ったよりも細かく区分されています。

また自動車保険は、等級によっても保険料が変わります。無事故だと翌年は等級が上がって保険料が安くなりますから、たとえ適用範囲だったとしても事故を起こして友人の保険を利用するのは気が引けますよね。

自動車を保有していない人が運転するのは、週末やレジャーシーズンなどが多いはず。渋滞や事故が発生しがちな時期だけに、運転するのなら自分自身できちんと保険に加入しておきたいものです。

「1日自動車保険」なら、スマホから簡単に手続きができる!

そこで両親や友人の車を借りて、ちょっと運転するときに利用したいのが「1日自動車保険」。その名の通り1日(24時間)単位で加入することができ、しかも手続きはスマホで完結するという手軽なもの。

扱っている主な保険会社は下図の通り。基本的な保障内容は各社ともほとんど変わりませんが、保険料の違いの大きなポイントは車両保険の有無。実家の車を運転するなら車両保険は不要と考えると1日(24時間)500円ですから、万が一に備えると考えれば安いものです。

24時間単位で加入できる主な自動車保険

契約時に注意すること

注意点としては携帯電話で契約する場合、保険料は携帯電話料金と一緒に支払うため、利用しているのが大手キャリア(docomo、au、SoftBank)でないと、携帯電話からの契約はできない可能性が高いことです。また、車両保険は事前登録した日から7日以内の場合は利用できません。利用する可能性がある人は、早めに自分の携帯電話から加入を検討している保険会社にアクセスして事前登録をしておくと安心です。

免許は持っているけれど、運転はたまにしかしないという人はぜひ参考にしてみてください。


鈴木弥生
編集プロダクションを経て、フリーランスの編集&ライターとして独立。女性誌の情報ページや百貨店情報誌の企画・構成・取材を中心に活動。マネー誌の編集に関わったことをきっかけに、現在はお金に関する雑誌、書籍、MOOKの編集・ライター業務に携わる。ファイナンシャルプランナー(AFP)。