音質関連でDP-X1Aになかった機能としては、最新ワイヤレスオーディオコーデック「aptX HD」のサポートが挙げられる。現時点では数少ないaptX HD対応ヘッドホンのオーディオテクニカ「ATH-DSR9BT」で試聴してみたが、同じ音源(FLAC 96kHz/24bit)でもaptXやAAC接続時との差は歴然。24bitらしいきめ細かい階調感があり、ボーカルの定位や音場感のリアリティは格段に増した。今後aptX HD対応機は、スマートフォン、ヘッドホンともに増えるだろうから、ワイヤレスでも音質にこだわりたい向きには押さえておきたいフィーチャーといえる。

最大48kHz/24bitという高効率オーディオコーデック「aptX HD」をサポートする

通知トレイでスタンドアローンモードを選択すると、通信機能やディスプレイをオフにして音楽再生できる

気になる点があるとすれば、操作ボタンの配置だ。DP-X1Aのときも、ボリュームダイヤルは左側面、操作ボタンは右側面に配置されていたが、それほど頻繁に操作する必要がないDAPだから不満を感じなかっただけのこと。DP-CMX1はスマートフォンであり、画面に触れる機会が多いため、掴みあげるとき操作ボタンについ触れてしまう。個人的には、SIMスロットのあたりに操作ボタンが配置されるほうが誤動作は少ない(本体下部を掴みあげる人は少ないはず)と思うが、どうだろう。

側面の操作ボタン

とはいえ、スマートフォンではおそらく世界初のバランス駆動・バランス出力対応機であり、特許出願中のシールド技術など新機軸も多い。aptX HDの対応も、ときにはワイヤレスヘッドホンで過ごしたいユーザーには気になるはず。DSDネイティブ再生には対応しないが(PCM変換)、新ハイレゾフォーマット「MQA」の再生はサポートされている。音質にこだわりたいがスマートフォンの複数台持ちはちょっと、という向きに好適な1台であることは確かだ。