説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『アプリを起動したら「iPhoneの動作が遅くなるかも」と表示されました!?』という質問に答えます。

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アプリを起動したところ、「"○○○"によりiPhoneの動作が遅くなる場合があります」と書かれたダイアログが現れたのですね? そのダイアログには、「開発元によるAppの互換性改善のアップデートが必要です」とも書かれているはずですが、実際のところ大半のアプリはなにごともなく動作します。このダイアログにどんな意味があるのか、不思議に思うのも無理はありません。

このような警告は、「64ビット非対応」のアプリを起動したときに発せられます。App Storeで公開されるiOSアプリは、2015年6月から64ビット対応が義務付けられましたが、それ以前に公開されたアプリは必ずしも64ビット対応とはかぎりません。具体的には、数年前から使い続けているアプリは64ビット非対応の可能性大です。

iPhone 5s以降のiPhoneには、64ビットのSoCが搭載されています。64ビットのSoCは32ビット用に書かれた命令も実行できますが、64ビット用のほうが高速に処理できるため、Appleは開発者に64ビット対応を促したのです。2015年以降、開発者は64ビット非対応アプリを(審査目的で)App Storeに送信できなくなりましたから、新規公開のアプリはすべて64ビット対応です。

アプリのアイコンや設定画面を見ても64ビット非対応かどうか見分けることはできませんが、このダイアログが表示されれば64ビット非対応(32ビットアプリ)とわかります。動作が遅くなるなどの問題が生じるかどうかはアプリ次第ですが、最新版が公開されているのならばアップデートしたほうがいいでしょう。

iOS 10.1以降で32ビットアプリを起動すると、このダイアログが現れます