京都二条城で開催された富士フイルムの新製品発表会についてはすでにレポートをお届けした通り。ここでは、より詳細に新製品を解説した説明会の内容を、プレゼンテーションのスライドを主体にレポートする。文章と数値だけでは伝えきれない機能や性能について、より明確にご理解いただければ幸いだ。

中判デジタルカメラ「GFX 50S」

GFX 50S

まず、富士フイルムが展開するAPS-Cフォーマットのセンサーを搭載したデジタルカメラ「Xシリーズ」と、中判フォーマットセンサーを持つデジタルカメラ「GFX」のポジショニングについて説明が行われた。

一般的な写真需要として考えられる家族のスナップや旅行写真、子供の運動会といったファミリーフォトから、写真館、ルポライターやスポーツカメラマンなどの一般業務向け写真、そしてハイアマチュアのための風景写真やポートレート、動物や航空機などの撮影シーンについては、Xシリーズの守備範囲と富士フイルムは考えているようだ。これらは、いわば高速・機動性が重視される領域で、Xシリーズの高速化とハイパフォーマンス化によって、対応していくとした。

GFX製品化の目的

GFXのコンセプト

対して、GFXはより高画質が要求される領域を想定している。たとえばコマーシャルやファッションなどのフィールドだ。つまり、被写体の本格的な作り込みと機材環境を整えた、スタジオ撮影において最高性能を発揮するよう開発されているともいえる。

GFXのコンセプトは、一眼レフでは享受できないミラーレスカメラならではのアドバンテージと中判センサーの超高画質を両立させる、というもの。小型軽量もミラーレスの利点のひとつだろう。

中判フォーマットの大型センサーを搭載しながら、35mmフルサイズ一眼レフ(グレーのシルエット)とほぼ同じか、若干小さいボディサイズ(W147.5mm×H94.15mm×D91.7mm)を実現した。重量は約920g(EVF、バッテリー、SDカード含む)。

GFXの主な特長

CMOSセンサー

新開発の大口径マウントは65mm径。光学設計は1億画素時代にも対応可能だという。CMOSセンサーのサイズは43.8mm×32.9mmで、35mmフルサイズセンサーの約1.7倍の面積を持つ。主な特長として、以下の3点が挙げられる。

  • 同画素のフルサイズセンサーに対して、1ピクセルあたりのサイズが大きいため、高感度画質で有利
  • 新設計の「Gマウント」および「GFレンズ」の設計に合わせて、集光用のマイクロレンズを最適化。
  • シリコンプロセスを改良して、幅広い感度領域で高画質を実現。

プロセッサー

ボディデザイン

映像エンジンは、X-Pro2、X-T2同様の「X Processor Pro」を採用している。ボディデザインは、Xシリーズのコンセプトを踏襲。UIも同様のダイヤル中心の操作系を採用。背面液晶は3方向にチルト。セットアップや撮影状況の確認に便利なサブ液晶モニターを装備。サブ液晶モニターは、電源オフ時も情報を表示する。

Gマウントは、径65mm、フランジバック26.7mm。バックフォーカスは最短の状態で16.7mmを実現している。

操作性を向上させるための機能

新開発のGマウント