【レポート】

荒川線や手塚先生の街をゆく--江戸庶民気分で「雑司が谷・鬼子母神堂」巡り

1 1両編成の都電荒川線が走る街--駄菓子屋にて童心に返る

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「江戸の風情漂う」というと、江戸時代ににぎわいをみせていた雑多で活気ある町並みを思う人は多いだろう。しかし、おそらくそれは繁華街の話であり、少し離れた町の人々はもっとゆっくりとした暮らしをしていたのではないだろうか。そんな、"庶民の江戸"を感じられる町、雑司が谷・鬼子母神堂(ぞうしがや・きしもじんどう)付近を散策しつつ、食べ歩きグルメを探してみた。

庶民の江戸へ

池袋から2分で旅情!?「雑司が谷」

雑司が谷は東京都豊島区にある町だ。夏目漱石や小泉八雲といった著名人が眠る「雑司が谷霊園」で、聞き覚えのある人も多いだろう。雑司が谷駅は、「池袋駅」から東京メトロ副都心線でたったの2分、徒歩でも15分ほどのところにあるという、どちらかと言えば相当都心の町なのだが、駅を降りてみれば不思議と遠くにやってきたようなゆったり感が漂っている。

その昔は東京都全域を走っていた路面電車も、現在では都電荒川線と東急世田谷線の2つのみ。街の中を走る、そのスローな風情は心地よい懐かしさを感じさせてくれる

その理由のひとつは、道路をトコトコと走る都電の存在だ。東京都内に残る数少ない路面電車のひとつである都電荒川線は1両編成。巨大都市東京の街をゆっくりマイペースに走り続けている。散策でタイムスリップ感を盛り上げるには、是非この都電を利用したい。

ビルの間をトコトコと

池袋付近にある駅は「大塚」や「東池袋四丁目」で、降車駅は「鬼子母神前」となる。たった数駅の路面電車の旅だが、ちょっと特別な気分を味わえるだろう。

都電の駅は場合によってはとても狭い

お寺なのに何だか楽しい「鬼子母神堂」

まずはお参りをしておくかということで、駅から「鬼子母神並木通り」を通って徒歩5分ほどの鬼子母神堂へ向かった。この並木には、通常とはかけ離れたレベルの極太なけやきの木が並んでいる。並んでいるといっても現在残っている巨木は4本だが、古いもので樹齢400年とのこと。しかし、その迫力はいかにも長い歴史を感じさせ、まるで江戸時代の人々の姿が見えてくるようだった。ここにはいくつかの注目スポットがあるのだが、それはまた後ほど紹介しよう。

鬼子母神堂は、安産・子育(こやす)の神様を祀(まつ)っている。しかし、今のところ出産に興味がない人でも立ち寄ってもらいたい。それというのも、小規模であるのにいろいろな見どころがあるからだ。ちなみに鬼子母神堂は神社のように見えて、法妙寺というお寺の中に祀られているお堂である。

荘厳な鬼子母神堂と境内。天正6(1578)年に村人が堂宇を建てたことが始まりとのこと

江戸時代と言えばやっぱり団子屋!

江戸時代と団子屋が切っても切れない関係にあると思うのは、筆者だけではないだろう。お寺の境内に「だんご」ののぼりを見た時は、意味もなく「これだ! 」という気がした。

醤油とあんこのお団子が2本セットで540円。持ち帰りもできるが、その場でいただく場合はお茶を付けてくれる。重厚なお堂を眺めながらいただきたい。ただし、お店は毎週日曜日と縁日(8日、18日、28日)のみオープンとのこと。

「だんご」のインパクトは強烈である

境内の「大黒堂」で販売している「おせんだんご」(2本セット540円)。平たく小粒なお団子が5つ連なっている。もちっとした食感だ。名前の「おせん」は、鬼子母神に1,000人の子がいたことから、子孫繁栄を願う意味があるという

昔懐かしい駄菓子屋

こぢんまりしながらも、地域の人々に愛されているのが伝わってくるこのお寺には、団子屋だけでなく駄菓子屋まである。創業1781年の「上川口屋」だ。古風なつくりのお店には、昔懐かしい駄菓子がすき間なく並べられている。おそらく江戸時代には、かすりの着物を着た子どもたちが小銭を片手にワクワクしながらやって来たのだろう。「100円でどれだけたくさん買えるかな!? 」なんて、子どもに戻った気分で買いものをしてみてはいかがだろうか。

境内の一部と化しているかのような駄菓子屋

この雰囲気は、大人もワクワクせずにはいられない

創業から今年で236年! 現在の店主は13代目とのこと。「236歳には見えないですね、と言うお客さんもいるんですよ」と笑う

「あ、これ好きだった! 」という会話で盛り上がりそうな駄菓子屋のお菓子たち。都電荒川線やお店のイラストが描かれたポストカードは各200円だが、お菓子は数十円のものがいっぱいだ

境内には、東京都の天然記念物に指定されている樹齢700年の公孫樹(こうそうじゅ/イチョウ)があり、その周囲をぐるっと囲むようにお稲荷さんを祀った鳥居が並んでいる。

「これがタイムトンネルかも? 」と思って通ったり

先ほど登場した鬼子母神並木通りには、 昭和30(1955)年から2年間、漫画界の巨匠・手塚治虫氏が住んでいた。続いてはこのアパート「並木ハウス」や、あわせて楽しみたいキュートな食べ歩きグルメなどを紹介しよう。

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インデックス

目次
(1) 1両編成の都電荒川線が走る街--駄菓子屋にて童心に返る
(2) 手塚治虫の息吹を感じる空間--食べ歩きにはキュートなメロンパンを
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