Sansan 取締役 Sansan事業部長 富岡圭氏

Sansanは2月1日、同社が実施した「働き方改革に関する意識・実態調査」の結果に関する発表会を開催した。同調査は、企業に勤めるオフィスワーカー(経営者・社員)を対象にオンラインで実施したもので、有効回答数は1035サンプル。

初めに、取締役 Sansan事業部長の富岡圭氏が、同調査を実施した背景を説明した。同氏は「働き方改革を実現するために、われわれの名刺管理クラウドサービスを導入するケースが増えている。また、政府の『働き方改革実現会議』で表明された9項目のうち、労働生産性の向上に当社のサービスが貢献できる。一方、今日開催されている会議では長時間労働是正に向けた議論を行うと聞いている。われわれは長時間労働の是正が生産性に関わると考えている」と述べた。

Sansan マーケティング部 ワークスタイルエバンジェリスト 志賀由美子氏

さらに、日本のオフィスワーカーは書類整理、経費精算、名刺管理などの間接業務が多くて忙しい中、働き方改革を実現するためにどうすればよいのかを明らかにするために、今回の調査を行ったという。

調査結果については、マーケティング部 ワークスタイルエバンジェリストの志賀由美子氏から説明が行われた。

今回、前回答者に「働き方改革は必要か」と聞いたところ、83.3%が「必要」と回答しながらも、そのうち65%が「未着手」と回答したという。働き方改革に取り組めていない理由で最も多かった回答は「経営者が取り組む必要性を感じていないか」だった。

貴社で働き方改革に取り組んでいない理由を教えてください 資料:Sansan

また、既に働き方改革に取り組んでいる企業の7割が残業時間の引き下げを行っていることが明らかになった。しかし、働き方改革に取り組んでいる企業に勤める人の4割が「働き方改革によって業務に支障が出ている」と回答し、その具体例として「帰宅後のサービス残業が増えた」が最も多い回答となっている。

この点について、志賀氏は「業務量を減らしていないにもかかわらず、残業時間を引き下げても、残業は見えなくなっただけにすぎない。その結果、自宅でのサービス残業が増えることになる。長時間労働の問題を本質的に解消するには、生産性を向上していく必要がある」と説明した。

働き方改革によって、業務に支障が出ているか。支障が出たと感じる内容は何か 資料:Sansan

また、ITソフトウェアを導入した企業のうち88..3%が「効果がある」と回答したという。ITによって生産性が上がると思う業務としては「資料の作成」「ハンコ文化」「経費精算」など、紙が介在するものが多い結果となっている。

IT化することによって効率化できると思う業務はなんですか 資料:Sansan

ちなみに、働き方改革を目的として導入する「ITソフトウェア」としては、経費精算、既存のシステムと基幹システムを連携するシステムなどが考えられるという。

富岡氏は「働き方改革におけるIT利用のキーワードは『シェア』と『シンプル化』。業務においてコミュニケーションは不可欠であり、コミュニケーションをシンプルにするプラットフォームがカギとなる」と語った。

こうした内容を踏まえ、志賀氏は、名刺を紙のまま管理するのではなく、同社のサービスを用いて名刺を管理することで、名刺管理にかかる時間を年間78.4%削減できると語った。

名刺管理クラウドサービスによって削減できる名刺管理にかかる時間 資料:Sansan