この冬は歴史的な大雪で、全国の注目を集めた北海道札幌市。200万人近い人口を誇りながら、年間降雪量が例年5~6mにもなる豪雪都市は、世界でも札幌市だけだという。

そういう土地では冬は飲みに出掛けにくいかというと、そんなことはない。特に市内中心部は地下街や地下歩行空間が発達し、寒さを気にせずに外出できる。今回は札幌駅周辺から、地元で人気の立ち飲み店を3件紹介しよう。

港町・小樽発の立ち飲みは食事が充実

1件目に紹介するのは、地下鉄南北線さっぽろ駅直結の「大衆酒場 おたる三幸 札幌駅前北4条店」。なんと100人収容可能という広々とした店舗は、大きなキャリーバッグを持っていても立ち寄りやすく、旅行客必見の穴場だ。

「大衆酒場 おたる三幸 札幌駅前北4条店」は、地下鉄南北線「さっぽろ」駅改札そば、「ダイコクドラッグ」入口の5番出口から、階段を上がってすぐの立地

本店の「小樽ニュー三幸」は、小樽市にある昭和29(1954)年開業の老舗レストランだ。ファミリー層に長年愛される飲食店だけあり、系列店で唯一の立ち飲み処であるこの店でも、食事を重視している。店内の厨房(ちゅうぼう)で料理人が腕を振るい、できたて熱々のフードや新鮮な魚介が楽しめるので、ぜひおなかをすかせて行ってほしい。

北海道の魚介も小樽のご当地グルメも

港町・小樽発の店だけあり、毎日仕入れる海の幸は見逃せない。自慢の「旬のおさしみ」は、マグロやサーモン、タイなどが3点盛りで480円という安さ。そのほかにも北海道らしいメニューが多数そろい、中でもイチオシは小樽のご当地グルメ「鉄板小樽あんかけ焼きそば」(680円)だ。コクのあるあんがもっちりとした麺にしっかり絡み、うま味が口の中いっぱいに広がる感覚がたまらない。

さらに「鉄板ジンギスカン」(680円)、「身欠きにしん」「するめいかの一夜干」「焼きたてだし巻き玉子」(各480円)、「昔懐かしハムカツ」(420円)、「函館布目自社製 社長のいか塩辛」(380円)など、自慢のメニューがズラリと並ぶ。カツオと昆布のダシが利いたおでん各種も1品200円から注文でき、財布に優しい価格設定が実にありがたい。

落ち着いた雰囲気の店内。スポーツ中継がない日は、テレビで小樽の観光PRの動画を流している

北海道各地の地酒やワインが安い!

飲み物では、北海道各地の地酒が充実。升の中のグラスに溢(あふ)れるほど注いでくれる"もっきり"で、1杯590円から用意している。小樽市・田中酒造の「宝川」「神威鶴」、倶知安町・二世古酒造の「二世古純米酒」、根室市・碓氷勝三郎商店の「北の勝」、釧路市・福司酒造の「福司」ほか、堂々たるラインアップだ。

ワインも一升瓶で豪快に登場する。サッポロ「北極星」の赤・白(各490円)が、"もっきり"or"かち割り"の好きなスタイルで楽しめる。立ち飲みなのに長居したくなる……、いや、長居せずにはいられない店だ。

また、早めの時間帯にはサク飲み向けのプランも用意。18時までの「ほろ酔いセット」は、飲み物1杯・おつまみ1品・おでん2品で780円。女性は同じ料金で17~20時に「レディースセット」を利用でき、こちらはドリンクとおつまみに、日替わりの串揚げ2本と「雪見だいふく」が付く。「ワンランク上の立ち飲み」をコンセプトとしてメニューを充実させたこの店、札幌滞在中にぜひ一度は立ち寄ってほしい。

北海道の地酒や焼酎がそろい、ついつい飲み過ぎてしまいそうだ

●information
大衆酒場 おたる三幸 札幌駅前北4条店
住所: 北海道札幌市中央区北4条西3丁目1-2 成友ビルB1F
営業時間: 15:00~24:00(L.O.23:30)
定休日: 日曜日