パフォーマンスをみせる飯田里穂

飯田里穂の2ndツアー「rippi-echolic」の追加公演が1月29日、Zepp DiverCity Tokyoにて開催された。当日は赤色のTシャツを着たファンがお台場に集結し、飯田の登場を静かに待っていた。本公演は昼と夜の2部構成で開催。ツアーのラストを飾る大熱狂の盛り上がりを見せた。今回は、両公演の模様をレポートとしてお届けしたい。

1部序盤からオーディエンスが熱狂

開演すると、バンドの全員が手錠をかけられて登場するという驚きの光景が飛び込んできた。白衣を着た男性に手錠を外され、メンバーがそれぞれのポジションに着くと、ロックバンドのライブを思わせる雰囲気を感じてしまう。果たして、飯田のライブとは一体どのようなものなのか……。

次の瞬間「みんな暴れるよー!」とのシャウトと共に飯田が登場。手錠片手に場内を一気にヒートアップさせる。オープニングとなった楽曲「HEARTACHE=恋と予感」を過激に歌い上げ「もっともっと叫べー!!」とオーディエンスをあおった。

開演前の静けさがウソのように変化していく場内。その光景に圧倒されそうになるが、ステージで歌う飯田は終始笑みを絶やさない。続けて「Love Motion」を歌いだすとピンクのノースリーブ衣装をあらわにさせて、会場の温度をさらに上昇させた。

MCで飯田は「『rippi-echolic』追加公演へようこそ!」とあいさつ。会場いっぱいのオーディエンスを前に、彼女自身もハイテンションの様子だ。今回のライブコンセプトは"りっぴークリニック"。会場に集まるりっぴー中毒者(ファンの総称)をどう治療するか……いや、中毒をより増幅させるかというミッションに挑む。

「Whitish flower」へと進み、全員のハンドクラップに合わせた爽やかなアップビートで、打って変わった空間を生み出した。子役、声優の経験を生かした演者ならではのステージパフォーマンスが、全てのオーディエンスをくぎづけにする。その後、「わたしのパレット」、「欲しいのは優しさだけじゃない」と定番曲を連発。その身ぶり手ぶりに、思わずこちらも手を合わせて動かしたくなってしまう。

勢いを落とすことなく「BIN-WAN SPY」の重量感あるサウンドで、ファンと一緒にダンス。さらに「SUNNY GIRL」、「青空プロローグ」と一気に駆け抜けていく。見どころとなったのも、飯田とオーディエンスのダンスだ。飯田とファンの心が合わさっていく。

中盤では流れが一転し「BLUE DROPLET」、「片想い接近」、「キミへの帰り道」と、バラードやポップナンバーを3曲連続で歌唱。そして「Stargazer」、「シリウス」、「流星のスピードで」とアップテンポの楽曲でボルテージを上昇させた。

最後に選ばれた曲は、"みんなと笑顔になりたい"という飯田の思いから「Good luck for you & me」。「まだまだ楽しみたい」という欲求を抑えきれない観客たちの期待に応えるべく、ライブTシャツを着た飯田が再びステージへ登場すると「青い炎シンドローム」、「恋に気づいた」、「KISS! KISS! KISS!」を全力で歌いきった。2017年初めてファンと会えた喜びとライブの楽しさを全員で共有できる光景。記念すべきひと時をつづったライブとなった。

ツアーファイナルにふさわしい2部に大熱狂

2部では、1部と同様のセットリストや演出で会場を盛り上げる。それでは、1部と違うのはどこか……、それはマイクを握る飯田の表情に注目するとわかった。先ほどのピンクの衣装から白色のカジュアル衣装に変えて登場した彼女は、オープニングを飾る「HEARTACHE=恋と予感」で熱狂的なライブから2部をスタートさせる。しかし、何やら少し印象が違うことに気づいた。それは、彼女が観客の近くで一緒に楽しんでいること。

1部では自らリードして激熱のステージで会場を揺るがした。それに対し、2部ではオーディエンスの目の前まで歌声を持っていこうとする。彼女はファンと一緒に楽しいひと時を堪能していた。もちろん熱気に満ちたライブには変わりない。オーディエンスも彼女に倣うかのように「りっぴー」と呼びかけ、楽しさを表現していた。

その中でも、特に飯田の人となりが感じられたは「Good luck for you & me」のラスト。彼女は「今日、私が楽しくステージをできたのはみんなのおかげです。これからもいろんな楽しいことをしていきましょう。ホントにありがとうございました!」と深々とお辞儀し感謝の気持ちを会場に集まった全員へ伝えた。

応援してくれる人たちのために歌う飯田だからこそ、楽しむことができ、ファンもそれを共有した。盛り上がる要素が詰まっていることも理由の一つ。しかしその一方で、彼女の謙虚さが楽しみを倍増させてくれたのも事実。その気持ちを忘れない飯田だからこそ、ファンと一緒に笑顔でツアーファイナルを大成功に収めることができたのだと思う。

Photography:コザイ リサ

セットリスト

M-01 HEARTACHE=恋と予感
M-02 Love Motion
M-03 Whitish flower
M-04 わたしのパレット
M-05 欲しいのは優しさだけじゃない
M-06 BIN-WAN SPY
M-07 SUNNY GIRL
M-08 青空プロローグ
M-09 BLUE DROPLET
M-10 片想い接近
M-11 キミへの帰り道
M-12 Stargazer
M-13 シリウス
M-14 流星のスピードで
M-15 Good luck for you & me
En-01 青い炎シンドローム
En-02 恋に気づいた
En-03 KISS! KISS! KISS!(1部)/7月29日(2部)
WEn-01 KISS! KISS! KISS!(2部)