説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『メールを削除したのにiCloudの空き容量が復活しません!?』という質問に答えます。

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iCloudメールは、受信したメールサーバ側に保存しておく「IMAP(Internet Message Access Protocol)」という方式のメールサービスを採用しています。送受信したメッセージはiCloudのメールサーバ上に保管され、要求に応じて手もとのパソコンやiPhoneにダウンロードされます。このしくみにより、どのような端末からメールボックスを見ても同じ状態を保てます。

メッセージが勝手に削除されることはないため、利用年月が長いほど割り当てられたiCloudストレージ(初期値は5ギガバイト)を消費します。メールサーバ上から削除すれば空きは回復しますが、iCloudメールでは削除したメッセージはサーバ上の「ゴミ箱」へ移動され、いきなり削除されることはありません。ゴミ箱へ移動されたメールは1週間保存されるため、その間は元どおり復元することが可能です。

この仕様が、メールを削除したにもかかわらずiCloudストレージの空き容量が増えない理由ですが、1週間という設定を変更することで空き容量の復活を急ぐことができます。

操作方法は、『設定』→「iCloud」の順に画面を開き、下部の詳細欄にある「メール」をタップ、次の画面の下部にある「詳細」をタップすると現れる画面で「削除したメッセージ」欄をタップします。初期設定では「1週間後」にされていますから、これを「1日後」に変更しましょう。大量にメールを削除した翌日には、iCloudストレージの空きが回復しているはずです。

iCloud上から完全に削除されたメールを回復することはできませんが、ダウンロードしたメールまで削除されるわけではないため、残しておきたいメールは同じApple IDを使う他のパソコンやiPad/iPhoneでダウンロードしておきましょう。

iPhoneの初期設定では、iCloudメールはゴミ箱に移動してから1週間で完全消去されます