ソフトバンクの携帯電話ブランドである「ソフトバンク」と「ワイモバイル」が、EC事業を中心としたヤフーとの連携施策を積極化させている。元々ヤフーとの関係が深いワイモバイルはともかく、ソフトバンクまでもがヤフーの連携に力を入れているのには、どのような理由があるのだろうか。
2つのブランドに共通した戦略とは
携帯電話業界最大の商戦期となる、新入学シーズンを迎える春商戦に向け、ここ最近大手キャリアが相次いで新商品やサービスの発表会を相次いで実施している。ソフトバンクも、同社の2つの携帯電話ブランド「ソフトバンク」と「ワイモバイル」に関して、それぞれ春商戦に向けた発表会を実施している。
ソフトバンクは主にiPhoneを利用する高価格帯のユーザー、ワイモバイルは低価格帯のユーザーと、それぞれターゲット層が異なることから、戦略にもいくつかの違いが見られる。実際、ソフトバンクは今回の春商戦で新端末を1機種も投入していない一方、特定月の毎週金曜に、特定の店舗でソフトバンクユーザーだけ商品がもらえる「SUPER FRIDAY」の第2弾を実施することを発表するなど、体験価値向上を重視した戦略を打ち出している。
一方で、ワイモバイルはAndroidのバージョンアップが保証された「Android One」スマートフォンを2機種投入するなど、端末面を強化。戦略面でソフトバンクブランドと明確に違いがあることが分かる。
しかしながら両ブランドの発表内容を見ると、共通した施策もいくつか見られる。1つは春商戦の主要ターゲットとなる学生に向けた「学割」で、内容に違いはあるものの18歳以下を優遇した施策を打ち出していることから、狙いは共通しているといえよう。
そしてもう1つ、戦略面で共通しているのがヤフーとの連携である。ソフトバンクとワイモバイル共に、内容に違いはあれど、ヤフーと連携し、ヤフーのサービス利用でお得になる施策を打ち出しているのだ。