大手携帯3社が今年の学割施策を発表した。NTTドコモは1年間、毎月実質1,000円値引き引きするという標準的な内容にとどまる一方、auとソフトバンクが月額2,980円から利用できる料金プランを提供するなど、18歳以下を非常に優遇した施策を打ち出している。各社の狙いはどこにあるのだろうか。

学割で18歳以下だけを優遇したau

携帯電話大手3社は今年も春商戦に備え、メインターゲットとなる学生を優遇した割引施策、いわゆる"学割"を打ち出している。昨年の学割は料金の割引ではなく、高速通信容量を増量するという、従来とは大きく異なる学割施策であったことが話題を呼んだが、今年の学割も、従来とは大きく異なる内容を提供するキャリアがいくつか現れている。

そうした動きを象徴しているのが、auが1月11日に発表した学割キャンペーン「auの学割天国」である。auの学割天国の大きな特徴は、18歳以下とそれ以上とで、全く異なる割引施策を提供していることにある。

実際、18歳以下向けに提供される「学割天国U18」の内容を見ると、その内容は割引というよりも、独自の料金プランを提供するものとなっている。具体的には5分間通話定額の「スーパーカケホ」と、データ通信量に応じた段階制のデータ定額サービスの組み合わせで、全ての割引が適用された場合、3GBまでは月額2,980円、5G以上20GBまでは月額5,090円で利用できる。

今年のauの学割施策は18歳以下の新規ユーザーを特に優遇した「学割天国U18」を提供。通信容量に応じた段階制の料金プランが利用でき、最安値ではMVNOに匹敵する価格を実現

最低価格の月額2,980円というのはMVNOに近い安価な料金であるし、通信容量に応じて料金が変化することから、料金に無駄が出ないのもポイントだ。従来のプランと比べると非常に使い勝手がよく、18歳以下がいかに優遇されていることが分かる。

一方で、19歳以上向けの「学割天国U25」は、「データ定額20」以上を契約している対象ユーザーに対し、26歳の誕生日まで毎月料金を500円引きするものとなっており、学割天国U18と比べると、内容にかなりの差があることが分かる。

もっとも、学割天国U18で全ての割引を受けるには、18歳以下の学生が新規契約するだけではなく、親もauに新規契約する必要があるほか、指定の固定回線を契約し「auスマートバリュー」を適用する必要があるなど、ハードルは高い。これら一連の内容を見るに、auは今年の学割施策で18歳以下、なおかつ新規契約のユーザー獲得を非常に重視していることが分かる。