さて、SS-520ロケット4号機の打ち上げ結果についてはすでに報じた通りであるが、ここで、打ち上げ当日の模様について、画像を中心に振り返ってみよう。本来であれば、これは打ち上げ後のレポートですぐに掲載する予定だったのだが、失敗でそれどころではなくなってしまったため、出しそびれていたのだ。

打ち上げ当日、7時半ころの内之浦宇宙空間観測所

打ち上げが実施されたのは1月15日の8時33分。ちょうど日曜日ということで、延期となった11日に比べると、一般向けの宮原(みやばる)見学場には、かなり大勢の人が詰めかけていた。宇宙グッズを販売する出店があったり、地元・肝付町のゆるキャラが愛想を振りまいたりしていて、気分も盛り上がる。

プレス見学席から撮影した宮原見学場。打ち上げ30分前でこの混雑ぶり

日曜日ということで、見学場には小さな子供達の姿も多く見られた

出店で売られていた宇宙グッズ。打ち上げ見学に来たらこれも楽しみの1つ

こちらはイプシロングッズ。さすがにSS-520グッズは見当たらなかった

肝付町の「はやぶさめくん」。最近は出番があまりなくレアキャラだという

宮原見学場から見た射点。ロケットが直接見えないのはやや残念なところ

この日の天候は晴れ。朝から雨の心配は全く無かったものの、今回も気がかりだったのは風だ。筆者がプレス見学席に到着した7時すぎにはほぼ無風。しかし打ち上げ時刻が近づくにつれ風がやや強くなり、筆者は「今回もダメかな…」と半ば諦めていたのだが、8時半ころ、打ち上げ実施のアナウンスが流れ、その瞬間を迎えた。

プレス見学席から撮影した筆者の動画は速報記事の方を参照して欲しいが、ここでは、JAXA提供の動画を紹介したい。宮原からは建物に隠れてしまうため、ランチャーを直接見ることができないのだが、これは反対側から撮影されており、ロケットをバッチリと見ることができる。すごい速度で飛んでいく姿はなんともド迫力だ。

SS-520ロケット4号機の打ち上げ(C)JAXA

記者会見の内容は、コチラの記事にまとめた。残念ながら、搭載した衛星の軌道投入には失敗してしまったのだが、実験である以上、失敗することもある。この経験を今後に活かすためにも、JAXAには原因究明をしっかりしてもらった上で、可能な限り情報をオープンにしてもらいたいと思う。

関係者がお揃いの服を着ていたのが印象的だった(モデルは中須賀真一教授)

胸のロゴマーク。搭載した3Uサイズの超小型衛星「TRICOM-1」が描かれている

また記者会見のあとに、プレスに射点が公開されたので、その様子も紹介しておこう。ところどころランチャーの塗装がコゲていたり、コンクリートの地面に噴射の後が残っていたりして、ここからも打ち上げの迫力が伝わってくるだろう。打ち上げ前の画像はコチラにあるので、ぜひ見比べてみて欲しい

SS-520ロケット4号機打ち上げの現地取材記事

・SS-520ロケット4号機現地取材 - 失敗の原因はまだ特定できず、打ち上げの20秒後に情報が途絶 ・SS-520ロケット4号機現地取材 - 打ち上げは失敗! 第2段の点火を中止し、機体は海上に落下(速報)
・SS-520ロケット4号機現地取材 - 打ち上げは直前に延期! 風向・風速の変動の大きさが問題に
・SS-520ロケット4号機現地取材 - 射点で機体が公開、世界最小の衛星打ち上げロケットが姿を現す!

SS-520ロケット4号機の詳細記事

・JAXAが世界最小の衛星用ロケットを開発 - 今年度中に内之浦から打ち上げへ