2016年の新メニュー攻勢が記憶に新しい日本マクドナルド。業績も回復基調で、2017年は完全復活に向けた正念場となりそうな同社だが、今年の新メニュー戦略として打ち出したのは「おいしさ向上宣言」というテーマだ。まずはコーヒーを刷新するというが、そこから同社の方向性を探ってみたい。

「おいしさ向上宣言」を打ち出した日本マクドナルドのカサノバ社長

2017年の新メニュー戦略は

日本マクドナルドは2017年1月12日、六本木ヒルズ大屋根プラザでプレミアムローストコーヒーのリニューアル発表会を行った。

冒頭、同社の社長兼CEOであるサラ・L・カサノバ氏は、「昨年までの取り組み(ビジネスリカバリー戦略)では一定の成果をあげることができた。2017年も引き続きお客様第一を掲げ、お客様と心でつながるモダン・バーガー・レストランの実現を目指していく」と語り、その一環として「2017年はコアメニューを“Great Tasting Menu”として展開する。お客様の満足にコミットするため、“おいしさ向上宣言”と題して、いままでに体験した以上のおいしさ(even more delicious)を提供していく」と発表。その第一弾として、プレミアムローストコーヒーをリニューアルするとした。

マックが発表している数値からも復活の兆しは見てとれる。2016年12月は既存店売上高が対前年同月比17.0%の増加。全店売上高でも対前年同月比15.6%の増加を達成している。

カサノバ氏がコメントの中で体験(Experience)という言葉を使ったことから、単なる商品戦略にとどまらない今後の発表に期待してください、というメッセージを読み取ることができた。反転攻勢に向けたマックの戦略から今年は目を離せない。

カサノバ氏の次に登場したナショナルマーケティング部の小室武史上席部長からは、「2013年以降、コーヒーに対する嗜好や楽しみ方が変化してきた」という興味深い話が出た。