ソフトバンクは18日、「Y!mobile 2017 Spring」を開催し、Android Oneスマートフォン2機種などの製品や、学割といった新サービスを発表した。

Android Oneスマホ2機種のほか、モバイルルータ、Androidタブレット、学割などの新サービスが発表された

ソフトバンク Y!mobile事業推進本部の寺尾洋幸氏は、冒頭で「インターネットの生み出す楽しさや便利さをみんなの手元に届けたい」というY!mobileのブランドビジョンを改めて紹介。それを踏まえた上で、Yahoo!ショッピングが更にお得に利用できるサービスや、初めてスマートフォンを手にする若い世代やシニア層に向けた新製品、新サービスを説明していった。

Y!mobile事業推進本部 執行役員本部長の寺尾洋幸氏

Yahoo!プレミアムが無料で使える

Yahoo!プレミアム for Y!mobile」は、Yahoo! JAPANが提供する月額462円の会員制サービス「Yahoo!プレミアム」の特典を無料で提供するもの。「スマホプラン」「データプラン」の利用者が対象となる。寺尾氏によれば、Y!mobileユーザーのYahoo!ショッピングにおける利用金額は、2016年12月に12億8千万円に到達。昨春から約3倍も伸びているという。同社は追加料金なしのYahoo!プレミアム for Y!mobileにより、Yahoo!ショッピング市場をさらに活性化していきたい考えだ。サービスの提供開始は2月1日を予定している。

月額462円の「Yahoo!プレミアム」の特典を無料で提供する

さらに、「Yahoo!ショッピング」「LOHACO」における買い物で付与されるポイントがプラス5倍になる「お買物ポイント+5倍キャンペーン」なども実施していく。こちらのキャンペーン期間は2月1日から3月31日まで。

ゲストとして登壇したヤフー 副社長執行役員の川邊健太郎氏によると、Yahoo!ショッピングが取り扱う商品数は、2016年9月に国内最多の2.3億に到達。2016年第2四半期の流通総額は、前年同期比で約128%も成長しているという。川邊氏は「Y!mobileユーザーの皆様にもっと安心して、もっとお得にご利用いただけるよう新しい施策を打っていく」と話しており、ヤフーは「eコマース革命第二章"お得革命"」と銘打って利用者の拡大を狙う。

お買物ポイント+5倍キャンペーンなど、複数のキャンペーンを組み合わせるとポイントは最大で17倍に

ヤフー 副社長執行役員 最高執行責任者の川邊健太郎氏がゲスト登壇(右)

満足度の高いAndroid Oneを投入

新商品は、Android Oneスマートフォン2機種が追加される。Android Oneは、常に最新のAndroid OSを利用できるうえ、セキュリティ機能が毎月自動でアップデートされるため、安心してスマホを利用できるという特徴がある。

シャープ製の「S1」(2月下旬以降に発売)はIGZO液晶を搭載しており、京セラ製の「S2」(3月下旬以降に発売)はMIL規格準拠のタフネスモデル。発売時はともにAndroid 7.0を搭載する。

IGZO液晶を搭載した「S1」と、タフネスモデル「S2」をラインナップに追加

Y!mobileでは、2016年7月に初めてAndroid Oneスマートフォン「507SH」を販売したが、顧客満足度は82%と高い水準を示した。寺尾氏は「シャープと京セラが日本のユーザーのために開発した日本限定モデルがS1、S2。両機種とも防水・防塵で、S2は赤外線にも対応している。フィーチャーフォンからの移行も簡単」とアピールした。

Android Oneスマホの満足度は82%と高い水準

Androidスマホのシェアも大手キャリアに迫る勢いで上昇中

「きめ細やかな接客」を目指すY!mobileでは、Googleによる「Android Ambassador プログラム」も活用していく。同プログラムは、GoogleのAndroid関連サービスに関して幅広い知識を持つ人材を育てることを目標としており、寺尾氏は「GoogleとYahoo! JAPANに助けてもらいつつ、まずは500名ほどのスタッフをアンバサダーに育てたい」と語った。

Android Ambassadorが着用するバッジの例

深い知識を持つアンバサダーをY!mobile実店舗に配置することで、ユーザーのニーズに寄り添ったAndroidの使い方を提案したい考えだ。ゲスト登壇したGoogleのAndroid/Google Play担当副社長 Jamie Rosenberg氏も、Y!mobileとの連携について喜びを口にした。

GoogleのAndroid/Google Play担当副社長 Jamie Rosenberg氏(右)

このほか端末としては、Pocket Wi-Fi史上最速の下り最大612Mbpsを実現したモバイルルーター「Pocket WiFi 603HW」、10.1型タブレット「MediaPad T2 Pro 606HW」も発表された。

下り最大612Mbpsを実現したモバイルWi-Fiルーター「Pocket WiFi 603HW」、約10インチの大画面タブレット「MediaPad T2 Pro 606HW」がラインナップに追加

Y!mobileの学割は

近頃、3キャリアから学割キャンペーンが相次いで発表されている。その流れに乗って、Y!mobileでも2つの学割が発表された

「ヤング割」は18歳以下の利用者を対象にしたもの。「スマホプラン」の基本使用料が2年目から1年間毎月1,000円引きされるので、最大で12,000円の割引となる。これにより、「スマホプランS」を利用する場合、「ワンキュッパ割」を併用すれば、2年のあいだ基本使用料が1,980円(税別)となる。キャンペーン受付期間は1月20日から5月31日まで。

18歳以下が対象のヤング割

「Pocket WiFi学割」は、25歳以下の利用者が対象。「Pocket WiFiプラン2」のオプションサービス「アドバンスオプション」(月額684円)が、契約当月から3年間(37カ月間)無料で利用できる。これにより「Pocket WiFiプラン2」を3年間毎月3,696円(税別)でデータ通信量の上限なく高速データ通信を利用できる。キャンペーン受付期間は1月20日から5月31日まで。

25歳以下が対象の「Pocket WiFi学割」

Android One以外のスマホは出ないの?

寺尾氏は、質疑応答および囲み取材で記者からの質問に回答した。

ユーザーのAndroid Oneスマホに対する反応は「余計なサービスが入っていなくて使いやすいと評価されている」と説明。端末を提供するメーカーがシャープと京セラの2社に絞られた理由については、コスト減へ取り組んだ結果だと回答した。端末の開発交渉については、引き続き複数のメーカーと行っていくという。

Y!mobileが提供するAndroid端末は今後Android Oneスマホに絞られるのか、との質問には「そこまで一気に割り切りたいところではある。サービスをどれだけ分かりやすくお客様に伝えられるか。これがサービスをつくる側の大きな役割になる。Android Oneに統一するのがいろんな意味でよいが、最終的にはニーズを見つつ判断していきたい」とした。Y!mobileの新規契約者は"スマホデビュー"の人が多いため、そこに向けて分かりやすい端末、分かりやすいサービス、分かりやすい料金体系を追求していく方針だ。

Android Oneはメーカーが機能などで差別化しづらい端末なので、ユーザー体験も同じになってしまうのでは、との問いには、「IGZO液晶、デュアルカメラなど、デバイスの差別化はできる。最終的なユーザー体験はGoogleのビジョンに合わせたいという思いがあるが、それはハードウェアを縛るものではない」との見方を示した。

テレビCMでおなじみの女優の桐谷美玲さん、ふてニャン、お笑い芸人のピコ太郎さんらが特別ゲストとして登場。発表会に華を添えた