OSビルド15002の改善点・既知の問題

ここからはPC版の修正内容と確認済みの問題を紹介する。まずは修正箇所から。

  • 「3D Builder」は<Windowsアクセサリ>フォルダーに移動した。
  • 一部のデバイスでディスプレイの輝度を調整するキーが意図どおり動作しない問題を修正した。
  • USBディスプレイ接続時にスリープから復帰すると、USBディスプレイがブラックアウトする問題を修正した。
  • 「カメラ」などWebカメラを使用するアプリケーションを起動すると、正しく動作しない問題を修正した。
  • 非タッチPCで複数のクリックを必要とするタッチキーボードの問題を修正した。
  • 「ディスククリーンアップ」で約4TBのWindows Update関連ファイルが提示される問題を修正した。
  • CortanaのTipsを表示するウィンドウを正しく表示させるため、Microsoft Edgeのロジックを変更した。
  • Microsoft Edgeのお気に入りバーに表示される長いWebサイト名を切り捨ててるのではなく、"ラップアラウンド"するように変更した。
  • 「設定」の<デバイス/タッチパッド>を開いた際、ナビゲーションペインにアイコンが表示されない問題を修正した。
  • アクションセンターの信頼性が低下した可能性がある問題を修正した。
  • スピーカープロパティダイアログに<Spatial Audio>タブを追加し、空間的オーディオの設定が可能になった。
  • Miracastディスプレイなどに接続する方法を内部的に調整した。接続方法はこれまでと同じく[Win]+[K]キーを押すと現れるコネクトUIを利用する。
  • フィードバックに基づいて、「mspaint.exe」を実行した際に「Paint 3D」が起動するロジックを削除した。
  • OneDriveフォルダーの操作で致命的なエラーが発生する可能性がある問題を修正した。
  • 保存などのファイル操作時にVisual Studioがクラッシュする問題を修正した。
  • 特定の古いチップセットを使用しているPCで、UWPアプリケーションのUIが乱れる問題を修正した。
  • Actiontec Screenbeamなど入力に対応するデバイスでMiracastを使用すると、入力有効化をうながすトースト通知が現れる問題を修正した。
  • 「設定」で特定のページを開くと、[Home]キーおよび[End]キーが意図どおり動作しない問題を修正した。
  • UWPアプリケーションの進行状況を示すインジケータが正しく描画されない問題を修正した。

次はPC版で確認されている問題を紹介する。

  • 「設定」の<システム/バッテリー>を開くとアプリケーションがハングアップする。
  • タスクバーのコンテキストメニュー仮想タッチパッドを有効する項目が現れない。
  • Cortanaで通知のミラーリングや不在着信、写真の共有、バッテリーの低下などをクロスデバイス上で実現するシナリオは本ビルドで動作しない。
  • Microsoft Edge利用時に、一部のWebサイトが正しく表示されない。その場合はInPrivateブラウズで回避できる。
  • <すべてのアプリ>からスタートメニューのタイルグリッドにピン留めできない。その場合はコンテキストメニューからピン留めを実行する。
  • コマンドプロンプト上で[Ctrl]+[C]キーによるコピー機能が動作しない。
  • マルチディスプレイ環境で他のディスプレイを「拡張」にすると、エクスプローラーのクラッシュが繰り返される。その場合はPCを再起動する。
  • タッチキーボードがタスクバーに現れないことがある。その場合はタスクバーのコンテキストメニューから<タッチキーボードボタンを表示>を選択する。
  • ロック画面を解除する際、「カメラを起動できませんでした」とWindows Helloに起因するエラーが発生する。
  • 「設定」の<システム/ディスプレイ>で行った輝度設定が、「設定」終了時に破棄される。その場合はアクションセンターや「電源」から設定する。
  • 「設定」の<デバイス/Wheel>から設定できるSurface Dial向けアプリケーションの追加リストが空になってしまう。その場合は画面下部の<アプリの参照>ボタンから選択する。
  • Miracastが接続に失敗する。
  • 「Netflix」で動画コンテンツが再生されず、黒い画面が表示される。その場合はMicrosoft Edgeを使って動画コンテンツを視聴する。
  • 「Acer Aspire」など特定のPCで、「Netflix」がクラッシュする。
  • DPI設定が150%以上の場合、サードパーティ製UWPアプリケーションがクラッシュする。
  • Windows 8.1からWindows 10 Insider Preview ビルド15002にアップグレードすると、すべてのUWPアプリケーションが失われる。その場合は「Windowsストア」から再ダウンロードする。
  • 「ナレーター」とMicrosoft Edgeの組み合わせで使用すると、正しく読み上げられないことがある。その場合は[Alt]+[Tab]キーでフォーカスを切り替える。
  • アプリケーションインストール直後は、Cortanaでアプリケーションを用いたコンテンツ再生が正しく動作しない。インデックス作成を終えるまで5分程度待つ。

上記した既知の問題は筆者の環境でも確認されている。特にWindows Helloによるサインインができなくなってしまったのは致命的だ。他方でWindows 10 Insider PreviewをインストールしたPCのDPI設定はすべて200%にしているが、サードパーティ製UWPアプリケーションがハングアップするケースにはいまだ遭遇していない。この辺りは環境によって異なるようだ。

今回もOSビルド14986から一気にOSビルド15002へ進んだことから、大規模な改善が図られている。また、Microsoftの説明を鑑みると新機能実装は2017年2月まで続くということは、巷でウワサされている2016年4月(以前は3月)のリリーススケジュールの推測は間違いなさそうだ。

阿久津良和(Cactus)

前回の記事はこちら
・Windows 10 Insider Previewを試す(第77回) - 大規模な修正を加えたOSビルド15002登場・前編
http://news.mynavi.jp/articles/2017/01/10/windows10/
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