デジタル機器のコネクターとして一般に普及しているUSBが、変わろうとしている。2016年に普及の兆しが見えてきた次世代規格「USB Type-C」の登場だ。2017年には広く一般に普及することで、コネクター形状の変化による混乱が予想される。果たして、慣れ親しんでいるUSBの形を変えるメリットはあるのだろうか。

大手キャリアショップでもUSB Type-C対応ケーブルが並び始めた(12月28日オープンのau SENDAIにて)

コネクター形状だけではないUSB Type-Cのメリット

USB Type-Cは、裏表のないリバーシブルなコネクターが特徴の次世代規格だ。これまでUSBメモリーなどに使われてきた標準のAタイプコネクターや、スマホの充電ケーブルとしても広く普及したMicroUSBでは、逆向きにつなごうとしてイライラした人も多いだろう。これがUSB Type-Cでは、アップル独自のLightningコネクターのように裏表を区別する必要がなくなった。

一般的なAタイプコネクター(左)とMicroUSB(中央)に対して、USB Type-C(右)は裏表がなくなった。実は中身も大きく進化している

重要なのは形状だけではない。最近ではAタイプやMicroUSBでも裏表のないコネクターは実現しているからだ。リバーシブルであることに加えてUSB Type-Cでは、ディスプレイ信号などを通す「Alternate Mode」や、急速充電規格の「USB Power Delivery」(USB PD)など「中身」も大きくアップデートされている。

具体的に得られるメリットとしては、ケーブルの本数を減らせるという点がある。一般にノートPCの側面には電源ジャックやUSB、HDMIなど多数のポートが配置されている。だがUSB Type-Cを使えば充電、USB、ディスプレイ出力などを集約できる。たった1本のケーブルですべてをまかなうことも不可能ではないのだ。