PC市場を支配するマイクロソフトとインテルは、WindowsとIntelの頭文字をとって「Wintel」の通称で知られている。過去にさまざまな勢力を退けてきた強力なタッグだが、2017年にはついに大きな変化が起きるかもしれない。

マイクロソフトとインテルに共通の課題だった「モバイル」

今日のPCといえば、インテルのCPUを搭載し、マイクロソフトのWindowsが動作するものが大半を占めている。その両社にとって鬼門だったのがモバイル分野だ。マイクロソフトはiPhone登場以前からモバイル向けWindowsの開発を続けており、インテルもAtomプロセッサやLTEチップセットの開発で反撃を図ったが、いずれも世界的に低迷している。

日本では法人向けに多数の端末が登場した「Windows 10 Mobile」だが、世界的には厳しい状態に追い込まれている

日本でも人気のAndroidスマホ「ZenFone 3」は、インテルのAtomに代わってクアルコムのSnapdragonを採用した

そして近年、PCとモバイルは必ずしも分けて考えるものではなくなりつつある。たしかに文書を作り込むような作業では、大きな画面が使えるPCのほうが便利だ。だが出先では、スマホでメールやカレンダーを確認し、仕事を進める場面も増えている。アップルの「iPad Pro」がキーボードやペン入力を標準でサポートし、PC作業の置き換えを狙ったことも記憶に新しい。

このようにPCとモバイルを合わせたスマートデバイス全体という括りで見れば、世界シェアとしてはAndroid、日本国内ではiOSが主流といえる。だが、2016年も年の瀬になって、大きな変化の兆しが現れた。それがクアルコムのSoC「Snapdragon」がWindows 10の動作をサポートするという発表だ。