説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneのWi-Fi接続が安定しません!?』という質問に答えます。

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iPhoneのWi-Fi接続が安定しない場合は、利用しているWi-Fiアクセスポイントがどの周波数帯かをチェックしましょう。使用するWi-Fi機器/ルータにもよりますが、周囲の環境に適した周波数帯で通信することにより接続が安定することもあります。

パソコンやスマートフォン/タブレットで利用されているWi-Fi規格は、利用される周波数帯が「2.4GHz」と「5GHz」に大別されます。iPhoneは複数のWi-Fi規格に対応しており、現行のiPhone 7/7 PlusはIEEE 802.11b/g(2.4GHz帯)とIEEE 802.11a/ac(5GHz帯)、IEEE 802.11n(2.4GHz帯と5GHz帯のデュアルバンド)で通信できます。

2.4GHz帯は対応するWi-Fi機器が多く、伝送距離が長いため障害物の多い環境でも電波が届きやすいというメリットがあるものの、電子レンジなど家電製品でも利用されているため混信やノイズの影響で通信が不安定化すことがあります。都市部の集合住宅では、多数のWi-Fiアクセスポイントが設置されるために、状況によっては接続しにくくなることもあります。

一方の5GHz帯は、Wi-Fi以外の機器ではほとんど使われないために混雑しにくく、比較的電波干渉が発生しにくいとされています。電子レンジなど家電からの影響も受けません。しかし、2.4GHz帯と比べると電波の直進性が高く、壁やドアなどの障害物があると通信に悪影響を受けます。

この点を踏まえると、郊外/周囲に家電が少ない部屋では2.4GHz、都市部/周囲に家電が多い部屋では5GHzが適しているといえます。最近のWi-Fi機器/ルータは2.4GHzと5GHzの両方に対応していることが多いので、2種類のアクセスポイントを用意して必要に応じ使いわけるといいでしょう。なお、どちらの周波数帯に対応するアクセスポイントかを判定する機能がiOSにはないため、アクセスポイント名(SSID)に「2.4GHz」や「5GHz」を含めて命名しておくと、接続先を選ぶときの混乱を防げます。

周囲の状況に応じて2.4GHzと5GHzのアクセスポイントを使いわけると、Wi-Fi接続が安定します