中間考察

Discrete GPU編が終わったところで、ちょっと中間考察を掛けてみたいと思う。とりあえず現時点でのKabyLakeは、Skylakeよりちょっと高速という程度の性能であり、CPUに依存する処理(エンコードなど)にはその効果が実感できるが、ゲームに関して言えばほとんど変わらないという評価である。

ところでさしあたっての問題は、KabyLakeというよりは、マザーボードの熟成にありそうだ。今回Crimson ReLiveのレビューで取り上げたもののうち、Deus Ex:Mankind Divided、Hitman 2015、Tom Clancy's The Divisionという3タイトルを取り上げていない。

何故かというと、テストは行ったのだが、結果がおかしいのだ。正確に言えば、Core i7-7700Kを装着した状態では正しく動作するのだが、Core i7-6700Kを装着した状態で評価すると、全画面表示にならずゲームが強制終了(Tom Clancy's The Division)とか、フレームレートがKabyLakeのざっくり半分以下に落ちる(Deus Ex:Mankind Divided、Hitman 2015)という謎の現象に見舞われている。

同じCPUをZ170マザーに装着してRX480と組み合わせた時よりも、フレームレートが落ちるとなると、これは今回のZ270マザーにおいて、Core i7-6700Kのテストが不十分だったのか、もしくはZ270用のドライバに問題があるのかのどちらかしか考えられない。

実は先のThiefとか、3DMarkのGraphics Testでやけに性能差があるあたりも、これに起因する部分があるように思えてならない。要するにKabyLakeが高速なのでなく、Skylakeが本来のスピードで動いていない、という状況が部分的に発生しているように思える。

もっともこうした問題は熟成が進めば解決する問題だから、遠からず解消される事は期待できるが、Skylake+Z270なんて組み合わせを考えている人はちょっと注意したほうが良いかと思う。

さて、この次のページからは内蔵GPUを使った場合の性能を比較してみたいと思う。ちなみにCore i7-7700Kの場合は、コントロールパネルでこんな具合に表示された(Photo44)。

Photo44:とりあえず普通にデスクトップの操作を行う分には、4K解像度でも特にもたつきなどもなく利用できた

また、ベンチマーク手順のところでも書いた通り、ゲームに関しては先日行ったCrimson ReLiveにおけるKaveri(A10-7850K+Crimson ReLive)のスコアを参考値として入れてある。KabyLakeの内蔵GPUでどこまでKaveriに肉薄できるか、というあたりが見どころになる。

なお、内蔵GPUに関してはSandraの結果は省かせて頂いた。基本メモリアクセスがやや遅くなる程度の違いでしかないからだ。この影響はアプリケーションベンチマークで見てみたいと思う。