消費電力測定(Discrete GPU)

次に消費電力測定結果を紹介したい。いつものようにSandraのDhrystoneとWhetstone(グラフ65)、それと3DMark FireStrikeのDemo実行時(グラフ66)の消費電力を示してみた。

意外というわけでもないのだが、全体にKabyLakeの消費電力が大きい結果になっている。その分動作周波数も上がっているから当然でもあるのだが。このグラフ65と66から、それぞれの実行時の平均消費電力を示したのがグラフ67、待機時の消費電力との差を求めたのがグラフ68となる。

3DMarkの時はそれほどでもないが、Dhrystone/WhetstoneではSkylakeに比べて10Wほど消費電力が増えているのが分かると思う。問題はこれが辻褄の合う数字かという話である。

もちろん動作周波数が上がる以上、消費電力が増えるのは当然であるのだが、Intelの14nm+の説明に出てきた「同じ動作消費電力なら最大12%高速」という話は、別に「周波数の全域に渡って12%高速に出来る」という意味ではなく、「一番性能が改善する部分で比較すると12%高速になる」という意味だからだ。

辻褄の問題は、10Wの増分に見合うだけの性能改善があるか? という話である。ということで比較してみると、

Dhrystone Whetstone
Skylake 192.77GIPS/77.0W
= 2.504GIPS/W
114.58GFlops/61.5W
= 1.863GFlops/W
KabyLake 205.63GIPS/88.0W
= 2.337GIPS/W
122.36GFlops/71.5W
= 1.711GFlops/W

ということで、予想通りではあるが性能/消費電力比ではむしろ悪化する結果になっていた。ちなみに消費電力差ではなく、絶対的な消費電力を使って計算しても、この傾向そのものは変わらない。絶対性能をとるか、性能/消費電力比を取るか、がSkylakeのままでいいか、KabyLakeにアップグレードするかの判断の境目になりそうだ。