『朝ドラ』をきっかけに飛躍へ

佐久間由衣

7人目は、今年春スタートの朝ドラ『ひよっこ』(NHK)に出演する佐久間由衣(21)。2015年に『トランジットガールズ』(フジテレビ系)で初ドラマ初主演を飾り、「義理の妹と恋に落ちる」という難役を演じた。『ひよっこ』で演じるのは、ヒロイン・みね子(有村架純)の親友で一番の美少女・時子。「女優志望の美少女」は、同じ朝ドラ『あまちゃん』(NHK)の橋本愛を思い起こす役だけに、同じようなブレイクが見られるかもしれない。『ViVi』専属モデル上に、クールな佇まいとショートカットで女性ファンの心はがっちり。男性ファンもつかめれば、トップ女優の仲間入りも夢ではない。

井頭愛海

8人目は、美少女ユニット「X21」のメンバー・井頭愛海(15)。国民的美少女コンテスト出身であり、昨春の選抜高校野球応援イメージキャラクターに選ばれた清楚さが持ち味。さらに今年1月から、放送中の朝ドラ『べっぴんさん』(NHK)に新レギュラーとして出演する。しかも役柄はヒロイン・すみれ(芳根京子)の娘・さくら。一年前に『あさが来た』(NHK)でヒロイン・あさ(波瑠)の娘・千代を演じた所属事務所の先輩・小芝風花に続きたいところだ。演技経験はほとんどないが、大役を得て全国区になるチャンスは十分。

久保田紗友

9人目は、もう1人の『べっぴんさん』新キャスト・久保田紗友(16)。小学生時代から地元・北海道で女優活動し、13歳で『神様のイタズラ』(BS-TBS)で主演を飾るなど、世代屈指の演技力を持つ。昨年、『運命に、似た恋』(NHK)で写真オタクの女子高生を演じたように、どこか陰のある美少女を演じられる。『べっぴんさん』では、さくらのお姉さん的存在となるジャズ喫茶の従業員を演じるが、短いシーンでも強烈なインパクトを残せるタイプだけに期待は大きい。

目指すはゴールデンへの連続出演

古畑星夏

最後の10人目は、モデルとしてティーン女性から圧倒的な支持を得る古畑星夏(20)。女優としても、2014年の『きょうは会社休みます。』(日本テレビ系)で、花笑(綾瀬はるか)と田之倉(福士蒼汰)の恋に嫉妬する女性を演じるなど、地道に出演作を重ねてきた。さらに昨年も『時をかける少女』(日本テレビ系)、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)に出演したほか、『ふれなばおちん』(NHK BSプレミアム)では、またもヒロイン・夏(長谷川京子)の恋敵を演じるなど、重要な役を得つつある。今年は映画『一週間フレンズ。』『咲 -Saki-』に出演するほか、『人狼ゲーム ラヴァーズ』で映画初主演を飾るなど、女優業を本格化する。

今や若手女優の登竜門は、朝ドラと学園モノ映画。昨年、吉岡里帆がそうだったように、今年もこの両者からスターが生まれ、ゴールデンタイムへの連続出演を勝ち取るブレイク女優がどれだけ現れるか。一年間、追いかけてみてはいかがだろうか。

■木村隆志
コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月間20本超のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などに出演。取材歴2000人を超えるタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。