Appleは2日、全国のApple StoreおよびApple.comで初売りを開催した。本日のみ、対象となるApple製品を購入すると、最高で16,500円分のApple Storeギフトカードがプレゼントされる。

筆者が訪ねたApple 銀座では開店前に180人以上が列をなした。Apple Storeでの初売りは2015年以来、2年ぶりの開催となるが、かつて販売されていた福袋、「Lucky Bag」は用意されていない。代わりに今年は、対象となるApple製品を購入すると、最高で16,500円分のApple Storeギフトカードがプレゼントされる。これは、昨年11月のブラックフライデーで、米国において、対象製品を買うとApple Storeギフトカードが贈呈されたのと同じ施策であると見られる。

本日、iPhoneを購入すると最高で5,500円分、Apple Watch Series 1を買うと3,000円分、Mac(Mac mimi除く)で16,500円分、Apple TVでは3,000円分のApple Storeギフトカードがプレゼントされる。

Apple 銀座では開店前に180人以上の行列が

昨年、初売りが実施されなかったのは、全世界のApple Storeで、均質なサービスを提供するという施策の一環と見られていたが、一転して、今年は開催ということに相成った。これは昨年から続いている日本市場を特別視したAppleの取り組みに沿ったものとも言えなくないが、もう少し別な意味合いがあるようにも思える。

ブラックフライデーと初売りでギフトカードのオファーがあったように、おそらく中国でも春節に同じような施策が打たれることだろう。まさに日本市場向けにという感じで、iPhone 7シリーズとApple Watch Series 2にFelicaを搭載して始まったApple Payだが、そのApple Payも、グローバルな展開をしながら地域の事情に合ったローカルなサービスを提供している。世界標準の規格を用意しながらも、それを押し付けるのではなく、リージョンごとにその商慣習にあったサービスを展開するというのがAppleのやり方なのだ。現代思想の文脈でしばしば取り上げられる、「普遍」か「差異」かという問題について、Appleは、いやいや両方とも必要ですよね、と回答することだろう。そこでは「普遍」と「差異」が矛盾することなく並存する。

このところの動向を伺っていると、Apple Storeは単に商品やサービスを提供する場所というだけでなく、ある種のコミュニティスペースような空間を目指している節がある。そういった場所が機能する上では、地域に根ざした活動が不可欠である。となれば、異なるリージョンごとに異なるサービスを提供し、また、同じエリアにある商業施設や商店街とも共栄を図るというのが自然な流れと言えよう。長蛇の列ができるのが迷惑にならないよう、隣接する他業者の店舗ともコミュニケーションを図っているはずだ。

その証拠にというわけではないが、初売りに、地元の築地鳩屋海苔店の店主、鵜飼友義さんがこれまた二年ぶりに、「一番海苔」を持ってきてくれた。これはApple Storeで初売りが開催される際、列の先頭3人に「一番乗り」とかけて海苔をプレゼントするというものだが、商売に相乗りするなというような排除行動には出ないのである。

9時半くらいにスタッフが集合

鳩屋海苔店の店主・鵜飼友義さんも2年ぶりに初売りに

先頭3人に「一番海苔」をプレゼント。これも2年ぶりの復活

今年の初売りは、午前8時くらいから開店を待つ人が集まってきて、開店前には180人を越える行列となった。Lucky Bagがなくてもこれくらいの集客力があるのだ。聞いた話では、心斎橋には200人以上が集まったらしい。

午前10時にオープンすると、恒例のハイタッチでお出迎え。戻ってきた感が演出されているという印象だ

ごった返す店内

対象商品の購入でプレゼントされるギフトカード

MacBook購入で、16,500円分のギフトカードをゲット

実施店舗は銀座、渋谷、表参道、心斎橋、名古屋栄、仙台一番町、福岡天神の7店舗。2日の営業時間は、各店舗ともに20時までとなっている。ギフトカードのプレゼントは本日のみとなっており、閉店時間も通常営業日より1時間短くなっている(仙台一番町は通常の冬の営業時間)ので、早めに足を運ぶのをお勧めするが、Apple.comでは日を跨ぐまでプレゼントを実施しているので、営業時間に間に合わないようならば、そちらを覗いていただきたい