2015年12月に発売となり、2016年はベストセラーカーの座にあり続けてきたトヨタ自動車のハイブリッド車(HV)「プリウス」。このあとプラグインハイブリッド車(PHV)も登場することだし、プリウスの独走はまだまだ続くと思っていた人もいたのではないだろうか。ところがここへきて伏兵が現れた。

日産が約30年ぶりの快挙

その名は日産自動車の「ノート」。2016年11月はじめのマイナーチェンジと同時に、「e-POWER」と呼ばれる新しいパワーユニットを投入した。これが受け、同月のベストセラーの座をプリウスから奪回したのだ。日産としては1980年代に、当時の「サニー」がベストセラーとなって以来、約30年ぶりの快挙だった。

独特のパワーユニットでも話題を呼んだ日産「ノート」

一方のプリウスは、当初PHVの発売を2016年秋としていたが、軽量化と成形の自由度を狙ってリアゲートに採用した炭素繊維強化樹脂(CFRP)の品質向上に苦労したために、発売が年明けに遅れることになったと言われている。

ただしノートは、プリウスの直接のライバルではない。トヨタで言えばひとまわり小さな「アクア」や「ヴィッツ」、本田技研工業の「フィット」などが直接の競合車になる。プリウスの直接のライバルとなる日産車は、電気自動車(EV)の「リーフ」だ。

世界累計販売20万台達成を記念し、日産が2016年10月に発売を発表したリーフの特別仕様車「thanks edition」(画像は日産自動車より)

その中でノートe-POWERは、日産では「電気自動車の新しいカタチ」とアナウンスしている。日本ではシリーズ式ハイブリッド、海外ではハイブリッドエレクトリック方式と呼ばれるシステムだ。

一般的なHVは、エンジンとモーターを必要に応じて使い分けながら走行するが、e-POWERではエンジンは発電に徹し、その電気だけを使って走る点が異なる。HVとも言えるし、EVの一種とも言える。