国内最大級のQ&Aサイト「OKWAVE」を運営するオウケイウェイヴは、同社が開発したAIエージェント「あい」を用いて、美容と健康に関する質問についての利用者からの質問に回答を表示するサービスを提供している。各社からAIを使ったQ&A対応のサービスが登場しているが、同社ならではの強みはどのようなところにあるのだろうか。

3500万件超のデータをベースに機械学習

OKWAVEの「あい」は、同社の「AIラボ」が開発した独自AI「KONAN」をベースにしたサービスだ。OKWAVEには過去に投稿された大量の質問とその回答が蓄積されているが、「あい」ではその中から美容と健康ジャンルについて、ユーザーが入力した質問をもとに、その質問がどんな意図を持つかを捉え、適切な回答を返してくれるサービスになる。

OKWAVEのトップページ左上の「OKWAVE AI Knowledge」をクリックすると「あい」の利用画面に。画面上側でジャンルを選択し、画面下側にある入力スペースに自然な文章で質問を入力して「送信」を押せばいい(画像:OKWAVE AI Knowledgeより)

「あい」のベースとなるデータは、OKWAVEにこれまで投稿されてきた約3500万件以上(データにして1TB以上)のQ&Aで、これを機械学習して分析したものが「あい」のバックボーンとなっている。このデータを自動的に質問と回答に分ける技術(ちなみに同社は日米で特許を取得している)を使って分類し、ユーザーがつけた重み付けデータなどを加味して学習させている。

なお、最近流行のディープラーニングではなく、統計的機械学習による学習で、意味解析による対応はこちらのほうが最適であると判断しているという。

検索エンジンと「あい」の違い

単に巨大なデータベースから目的に沿った回答を探してくるだけであれば検索エンジンも同じことができるが、検索エンジンがキーワードにマッチしたデータをすべて探してくるのに対し、「あい」では質問や回答を概念化して格納しており、階層化された知識を辿って最適なひとつの回答を見つけることができるという。

概念化の例としては「映画」のほかに「シネマ」や「ムービー」を同一のものとして捉えられるほか、「漫画」や「音楽」なども映画に近い概念であると識別できる。「あい」には上記のような「概念知識エンジン」に加え、エージェントとしてユーザーと応対を行う「感性エンジン」と「応答エンジン」の2つのAI技術から構成され、ユーザーの感情を読み取りながら最善の回答が行えるようになっているという。