【レポート】

SEMICON Japan 2016 - 関心高まる中国半導体産業の台頭

1 中国が進める半導体製造拠点化はどの程度の本気度なのか?

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図2 SEMI台湾のClark Tseng氏 (提供:SEMI)

12月14日~16日に東京ビッグサイトにて開催されたエレクトロニクス製造サプライチェーン総合展示会「SEMICON Japan 2016」併催の複数の講演会やセミナーで中国半導体産業の台頭が取り上げられた。半導体製造装置メーカーの参加者は、中国市場での特需に期待する一方で、半導体デバイスメーカーからは不安の声が聞かれた。

「半導体マーケティングフォーラム」(図1)では、SEMICON主催者である国際半導体装置材料協会(SEMI)の上席調査マネージャー(SEMI台湾所属)のClark Tseng氏(図2)が「最新の調査データに基づいて、中国半導体ファブの台頭」と題した講演を行った。

図1 SEMICON Japan 2016に併せて開催された半導体マーケットセミナーの会場風景

中国では、2016年以降、20の半導体ファブを立ち上げるプロジェクトが計画され、実行されつつある。この結果、中国は世界半導体装置市場で、台湾、韓国に次いで(日本や米国を追い抜き)第3番目の市場に成長してきている。

図3 中国本土で計画され、進行している半導体ファブ建設プロジェクト (出所:SEMI)

中国は、伝統的に強い実装分野では、世界市場の34%を占め、ウェハ処理分野でも従来の5%前後から20%近くへ急上昇している(図4)。

図4 (左)世界半導体装置市場における中国市場のシェアの推移。実装装置(赤色の折れ線)、ウェハ処理装置(青色の折れ線)、検査装置(灰色の折れ線)。(右)世界半導体材料市場における中国市場のシェアの推移。実装装置(青色)、ウェハプロセス・ファブ装置(赤線) (出所:SEMI)

半導体材料市場でも、中国は実装材料の23%、ウェハプロセス・ファブの8%を占めているが、新たなファブがフル稼働すれば、今後その割合は一気に高まるだろう。中国の半導体生産能力は、計画的に増加しており、2019年には世界生産能力の18%を占めるまでに上昇することが見込まれている(図5)。その成長を支えるのは、ファウンドリとディスクリート(LEDなどの個別半導体)とメモリとなる。

図5 (左)中国での半導体生産能力(200mmウェハ換算、単位:1000枚/月)(青棒)と世界市場におけるシェア(%)(赤線)。LEDを含む。(右)中国での半導体生産能力の半導体デバイス別内訳表示。ファウンドリ、ディスクリート(主にLED)およびメモリが生産能力向上をけん引している。内訳はアナログ(空色)、ディスクリート(橙色)、ファウンドリ(灰色)、ロジック(黄色)、メモリ(青色)、MEMS(緑色)、その他(濃青色) (出所:SEMI)

Cheng氏は、中国半導体産業の現状と課題について次のようにまとめた。

  • 中国の半導体投資は、長期レンジの国家政策に基づくものと差し迫った重要に基づくものとがある
  • 2014年に制定された「国家IC産業発展推進ガイドライン(国家集成電路産業発展推進綱要)」と中国共産党の「第13次5カ年計画」(2016~2020年)が中国全土に半導体ファブを建設するけん引役となっている
  • 中国国内の巨大な需要および中国のエレクトロニクスOEMの台頭も、外国半導体メーカーが中国内にファブを設置することに魅力を感じるのに重要な役割を演じている
  • 中国の半導体ファブ建設プロジェクトに資金不足の問題は生じていない。むしろ、人材や技術やIP(知財権) をいかに確保するかの問題がある
  • ある特定の半導体カテゴリ(たとえばメモリ)に限って生産能力を集中的に著しく増加することは、長期レンジでは供給過剰になる恐れがある
  • 中国は、技術取得のために海外の企業を買収しようとしているが、それをはばむ各国の法的規制に直面しており、なかなか成功できていない。
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インデックス

目次
(1) 中国が進める半導体製造拠点化はどの程度の本気度なのか?
(2) 半導体のみならず、装置・材料産業の強化も進める中国
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