12月21日、ハワイアン航空は羽田とハワイ島コナを結ぶ直行便の運航を開始する。日本からハワイ島への直行便運航は6年ぶり。コナ便を利用したパッケージツアーも続々登場している。とは言え、コナがどこにあるのか、何があるのかという認知度は、まだまだ低いだろう。そこで今回は、コナ国際空港のあるハワイ島西海岸の見どころやアクティビティ、オススメのホテルを紹介しよう。

ハワイ島の玄関口となるコナ国際空港

西海岸最大の町「カイルア・コナ」でビールを

コナ国際空港は、ハワイ島西海岸のほぼ中央に位置する。周囲は漆黒の溶岩台地だ。空港から車で15分ほど南下すると、カイルア湾に面する西海岸最大の町「カイルア・コナ」に到着する。

目抜き通りのアリイドライブには小さなショッピングセンターやレストランが並び、どこも気取らずのんびりとした雰囲気。ハワイで一番人気の地ビール「コナ・ブリューイング・カンパニー」の醸造所があり、直営のレストラン&パブで味わうできたてのビールは最高だ。

カイルア・コナはハワイ島で一番にぎやかな町

カイルア・コナはコナサンセットと呼ばれる美しい夕陽が名物で、夕方になると食事とサンセットを楽しむローカルや旅行者が集まってくる。また、カメハメハ大王が晩年を過ごした地でもあり、王族の別荘「フリヘエ宮殿」、ハワイ最古の教会「モクアイカウア教会」など史跡が多く、ちょっとした歴史散策も楽しめる。

カイルア・コナは、トローリングの世界大会やトライアスロンの開催地でもある

コナコーヒーの農園で焙煎体験を

「コナ」と聞いて最初に思い浮かぶのは、世界3大コーヒーとして知られるコナコーヒーだろう。カイルア・コナの山側で栽培されるコナコーヒーは、苦味が少なく柔らかな酸味と甘い香りが特徴。コナ土産に最適だ。海岸線と並行して走るハイウェイはコーヒー街道と呼ばれ、農園が並ぶ。直接コーヒー豆を購入できたり試飲や焙煎体験ができたりする農園もあり、西海岸の観光スポットとなっている。

摘まれたばかりのコーヒーの実

ワイキキでは体験できないホテルステイを

コナ国際空港に降り立つ人の多くは、空港の北にあるコハラコーストのホテルに滞在するだろう。コハラコーストには、フアラライ、ワイコロア、マウナラニ、マウナケアの4つのリゾートが連なり、リゾート内に大きなプールやゴルフコースを併設した高級ホテルが建つ。

スパやゴルフ、ホテルが用意する無料アクティビティを楽しみながら、リゾートでゆったり過ごすという極上ステイが待っているのだ。どのホテルも素晴らしく目移りしてしまうのだが、ホテルやリゾートによって趣が異なるので、しっかりと情報収集して選びたい。

広大な敷地を誇るコハラコーストのホテル(写真は「マウナ・ラニ・ベイ・ホテル&バンガローズ」)

まずはフアラライから。空港から車で約10分のフアラライ・リゾートに建つ「フォーシーズンズ・リゾート・フアラライ・アット・ヒストリック・カウプレフ」は、ホテルランキングでハワイNo.1に輝く最上級ホテル。リゾートエリアに立ち入ることができるのは宿泊者のみで、客室も2階建てのバンガロースタイルというプライベート感を重視したホテルだ。

漆黒の溶岩と青い海、白砂のビーチが目前に広がる「フォーシーズンズ・リゾート・フアラライ・アット・ヒストリック・カウプレフ」のプール

「プールで思いっきり遊びたい! 」という子連れファミリーは、迷わずワイコロア・リゾートへ。東京ドーム5個分という広さを誇る「ヒルトン・ワイコロア・リゾート」は、敷地内をボートやトラムで移動するテーマパークのようなホテル。ラグーンにはイルカが泳ぎ、ウォータースライダーや滝のある巨大プールも。子供はもちろん、大人も童心に帰って遊ぶことができる。リゾート内には、コハラコースト最大のショッピングモール「キングス・ショップス」と「クイーンズ・マーケットプレイス」があって買いものも楽しめる。

メインロビーと客室棟を結ぶ「ヒルトン・ワイコロア・リゾート」のトラム(モノレール)

女子旅にオススメなのが、ハワイ語で「天国に手が届く丘」という名をもつマウナラニ・リゾートだ。古代ハワイからマナ(精霊)が宿る地と言われ、世界的なパワースポットに建つ「マウナ・ラニ・ベイ・ホテル&バンガローズ」は、上品で落ち着いた雰囲気の中、肩肘張らずにリラックスできるホテル。

ホテル内のスパでは、わらぶき小屋で行うロミロミや屋外の溶岩サウナでのトリートメントなどハワイ島の自然と融合した施術が受けられる。日本の東急系ホテルだから日本人旅行者へのサービスは完璧。初めて隣島を訪れる人でも安心して滞在できるだろう。

太陽が注ぎ込む「マウナ・ラニ・ベイ・ホテル&バンガローズ」のアトリウム

コハラコーストの一番北にあるマウナケアは、静かに過ごしたい大人向けのリゾート。このエリアには、全米No.1のビーチに輝いたハプナビーチを望む「ハプナビーチプリンスホテル」と、隣島初のリゾートホテルとしたオープンした「マウナケアビーチホテル」がある。どちらも日本のプリンスホテル系列のホテルだが、日本人率が低く、隠れ家のように滞在できる。

州立公園に指定されているハプナビーチ

カジュアルステイならカイルア・コナとケアウホウ

カイルア・コナとその南側にあるケアウホウの町には、コハラコーストに比べカジュアルでリーズナブルな価格帯のホテルとコンドミニアムが集まっている。ケアウホウの町にはスーパーマーケットや映画館もあり、ローカルな雰囲気が強い。

ケアウホウ湾近くに建つ「シェラトン・コナ・リゾート&スパ・アット・ケアウホウ・ベイ」は、毎晩海からやってくる2mものマンタに出合える人気スポット。マンタと泳ぐ夜のスノーケリングツアーも行われている。

自然を感じるキラウエアやマウナケアへ

太古の昔から活動を続けるキラウエア火山や満点の星空に出合えるマウナケア山など、大自然のパワーを体験できるハワイ島。もちろん、コハラコーストやカイルアコナ、ケアウホウからもたくさんのオプショナルツアーが催行されている。そこにはワイキキで感じるハワイとは違う、新しいハワイが待っているはず。2017年は、ビッグスケールな魅力あふれるハワイ島の人気が再燃しそうだ。

世界遺産でもあるキラウエア火山

筆者プロフィール: 森谷貴子(もりやたかこ)

フリーランスライター。総合情報サイト「オールアバウト」ハワイガイド。1991年にハワイを訪れて以来その魅力にとりつかれ、以降ハードリピーターに。実際に「行って・見て・感じて」の旅行者目線のレポートで、ガイドブックよりもディープな情報やいつもと違ったハワイの楽しみ方を発信中。ほか、ウェブサイト、ラジオ、雑誌等へ寄稿多数。