大人気ファミリー海外ドラマ『フルハウス』の"その後"を描いた『フラーハウス』が、Netflixオリジナルドラマとして大復活! この冬、ファン待望のシーズン2が、全世界でオンラインストリーミングが始まっている。先日"タナー・ファミリー"が来日して盛大にジャパン・プレミアが開催されたが、娘たちの子育てに悪戦苦闘したD.J.とステファニーの父親ダニー役のボブ・サゲット、ダニーの親友ジョーイ役のデイブ・クーリエを直撃取材! ほかのシットコムの追随を許さない『フルハウス』『フラーハウス』の魅力を語った。

――約30年越しの、ファン超待望の続編となったわけですが、まず今の時代にリブートすることに、どういう意味を感じていましたか?

ダニー役のボブ・サゲット(左)とジョーイ役のデイブ・クーリエ

デイブ:1987年から始まって、番組が終わっても再放送を絶え間なくやっていたから、途絶えた感覚がなくてね。その過程でファンも増えたわけで、今は次の世代のファンがついている。昔、子供の頃に『フルハウス』を観ていた親世代が、今度は自分の子供たちと一緒に観るようになった。けっこう質問からそれてしまったけれど(笑)、『フラーハウス』でも価値観は変わっていなくて、家族愛や結束することがいかに大事かを描いている。

ボブ:各エピソードには、ちょっとした道徳レッスンがあってね。酒飲むな、ドラッグはやるな、とかね。まあ、僕らはドラッグをやっていないけれども(笑)、そういうレッスンがある。しかし、ここまで何十年も続いていくドラマはめずらしいよ。『スター・トレック』くらいじゃないかな? しかもシットコムだからより奇跡的なことで、オリジナルのキャストをそろえてのリブートはなかなかないはずだ。

――『フラーハウス』では、子供たちがかつての自分たち=『フルハウス』での役割を継いでいます。この点、とても感慨深いものがありますよね。

ボブ:これはいわゆる世代交代だ。我々はいわゆる"レガシー"キャストと言われているけれど、映画『エイリアン』シリーズにたとえるならば、シガニー・ウィーバーがアレを開けることだよね? まあとにかく(笑)、バトンタッチの意識ではいるけれども、今主役を張っている彼女たちを見ていると、技術が本当にしっかりとしている。少しずつ"レガシー"キャストの特徴を受け継いでいて、D.J.はダニーの娘だし、ステフは気が強い女性だけれども自分の道で悩み中。キミーはジョーイおじさんと同じようにボケ役をやっていて、うまいこといっている。だから別々に取材を受けているんじゃないの?(笑) これは、彼女たちのシリーズだからね。

デイブ:女の子3人は昔よりもコメディーがうまくなっていて、俺たちよりも上手だと思う。コメディエンヌとして、彼女たちは成長したと思う。体を張った演技も上達した。子供の頃だったら躊躇しているであろう、ジェスチャーやアクションにも果敢に挑戦していた。それは彼女たち自身に自信がついたこともあるだろうし、3人とも母親だからね。母親業で培った大胆不敵な感じはあるのかもしれない。それが作品にも出ているからね。

――とても面白く拝見しましたが、こういう良質なシットコムを作り上げるポイントは?

デイブ:言うなれば、キャスト同士の相性が重要だ。こればかりは作れるものではないので、あるかないかどっちかだ。それは、このシリーズにおける魔法の要素だろうね。この番組がユニークな点は、家族の問題を扱っていることだ。いまのテレビ番組は多くがシニカルで、とても暴力的。そのなかで『フラーハウス』は心休まる、ホッと帰れる場所だと思う。特に、つらい日々を送っている人にはね。

ボブ:脚本かな。特に「シーズン2」では、ドラマ性が増している。どのドラマでもそうだけれど、「シーズン1」では方向性を見つけるために苦労するものだ。でも今回の「シーズン2」では、すでに笑いも取れている。だから、ファンは歓迎してくれているよ。Netflixで、放送の形式も変わってきているからね。

――さて、全部は話さないほうがいいと思いますが「シーズン2」の鑑賞のポイントは?

デイブ:オリジナルの『フルハウス』のキャストが、僕たち以外もカメオ出演することかな。それと、娘たち3人のエピソードだよ。D.J.はマットとスティーブの間で板挟みになっているけれど、ステファニーも恋愛があってキミーの弟のジミー・ギブラーと恋に落ちる。キミーとフェルナンドも離婚したカップルとして、どうやってくかも見ものだね(笑)。まだ名前を言えないけれど、サプライズのゲストもいるからね!

ボブ:ダニーもお楽しみがあって、感謝祭のエピソードでは中年の危機を迎えてしまうよ。中年というか、人生3分の2くらいの段階での危機に直面するけれど、「一体、オレは人生で何を?」みたいな、『素晴らしき哉、人生!』(46)のベイリー的な局面に差し掛かる。これは演じがいがあったよ(笑)!

■プロフィール
デイブ・クーリエ(ジョーイおじさん役)
1959年、デトロイト生まれ。アメリカのコメディアン、俳優、声優。1987年、『フルハウス』にジョーイおじさん役で登場後、その等身大の演技と愉快なおじさんぶりがたちまち人気を集め、シリーズ終了まで全エピソードに出演。名セリフ「cut it out」は、語り継がれるほど流行した。ファミリー層向けのクリーンなジョークを得意とするコメディアンとして人気で、現在も全米各地でコメディツアーを展開。2016年4月にはミュージカル・ストーリーブック“The Adventures Of Jimmy Bugar(原題)”を発売するなど多才を発揮。

ボブ・サゲット(プロデューサー/ダニー・タナー役)
1956年、フィラデルフィア生まれ。アメリカのコメディアン 、俳優、監督。大学卒業後、ロサンゼルスでスタンダップコメディアンとして下積み生活を送る。Netflixオリジナルドラマ「フラーハウス」で共同プロデューサーを務めるほか、『フルハウス』に続いてタナー家三姉妹の父親ダニー・タナー役でゲスト出演。過保護なダニー像は孫が生まれても健在で、ファンを喜ばす。監督作としては、復讐業をなりわいとする2人組を描いたコメディー『ダーティ・ワーク』(98)や、『皇帝ペンギン』のパロディー『童貞ペンギン』(06)など。