ティアックは12月17日、東京・秋葉原で開催されている「ポタフェス2016冬」において、DAC内蔵プリメインアンプ「AI-503」を発表した。価格はオープンで、推定市場価格は130,000円前後。2017年2~3月頃の発売を予定している。本体カラーはブラックとシルバーの2色。

AI-503

シルバーモデルも用意

AI-503は、2012年に発売された「AI-501DA」の後継となるDAC機能を備えたプリメインアンプ。ティアック 音響機器事業部 コンシューマーオーディオビジネスユニット 吉田譲氏は、「AI-501DAは予想を超える支持をいただいた。その後継モデルが本機であり、USB DAC搭載、Bluetoothにも対応したハイレゾDAP時代のプリメインアンプだ」と製品の基本プロフィールを紹介した。

ティアック 音響機器事業部 コンシューマーオーディオビジネスユニット 吉田譲氏

AI-501DAは、DACに192kHz/24bit対応の「BurBrown PCM5102」を採用し、Abletec製クラスDパワーアンプを搭載していたが、AI-503では仕様を一新。DAC・プリアンプ部は基本的に2015年6月発売の「UD-503」を踏襲し、「AK4490 VERITA」を2基使用したデュアルモノラル構成となった。クロックは44.1kHzと48kHzの2系統を搭載。4種類のPCMデジタルフィルターと2種類のDSDフィルターも装備する。

Reference 501/503シリーズのヒストリー

PC用再生ソフトは「TEAC HR Audio Player」を用意。対応フォーマットはDSD 11.2MHzおよびPCM 384kHz/24bitで、WindowsとMacで動作する。MacではDoPを使わないDSD 11.2MHzネイティブ再生をサポートし、ドライバも必要ないという。

DAC・プリアンプ部はデュアルモノラル構成を採用し、DACからプリアンプ部までフルバランス伝送を実現した。独自の高精度電子ボリューム制御回路「TEAC-QVCS」によって、左右各チャンネルが正負ごとに独立した可変ゲインアンプ型ボリュームを一括コントロールする。チャンネルセパレーションに優れ、ギャングエラーを排除できるメリットがあるという。

ヘッドホンアンプ部は、「UD-503」および「HA-P5」の技術を継承。プッシュプル回路とオペアンプのディスクリート構成によるAB級動作が特長の「TEAC-HCLDバッファーアンプ回路」、ヘッドホンジャックにはグランド分離設計の3.5mm4極ジャック(3極端子兼用)を用意した。ただし、ほとんどのヘッドホンはA級動作可能とのこと。ゲインはHigh/Lowの2段階、適合負荷インピーダンスは16Ω~600Ω、最大出力280mW+280mW(32Ω時)。

AI-503のリアパネル

入力端子は、背面にはデジタル系としてUSB A×1、Optical(角型)×1、Coaxial(同軸)×1、アナログ系としてRCA×1を装備。前面にはデジタル系としてOptical(丸型)×1、アナログ系として3.5mmステレオミニ×1を用意した。

パワーアンプ部には、ICEPower製クラスDアンプを採用。出力は最大40W+40W、定格出力は28W+28W。電源部にはトロイダルコア電源トランスを搭載する。Bluetoothレシーバーは、コーデックとしてSBCのほかにAACとaptX、ハイレゾ相当の高品質再生を可能にするLDACをサポート。

前面のアナログレベルメーターは、AI-501DAの橙色から白色に変更された。ディマー機能を搭載、照明にあわせ明るさを4段階に調整できる。演算回路のパワーアップにより応答性が向上、メーターの動きが俊敏になったという。アルミ製ボリュームノブはリモコン操作により回転、インプットセレクターのLEDが音量レベルに応じて点灯するなど、ユーザーインタフェースにも細かな改良が施されている。

リモコンと連動し回転するアルミ製ボリュームノブ

前面のアナログレベルメーターは白色に変更、演算回路のパワーアップにより応答性も向上している

インプットセレクターのLEDは音量レベルに応じて点灯するなど、UIにも工夫が施された

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発表会では、ポタフェス2016冬のティアックブースで、ORB製3.5mm4極バランス接続対応の変換ケーブル(試作機)を展示することも紹介された。「Beyerdynamic T1 2nd」との組み合わせで試聴してみたところ、AK4490の透明感と空間表現力が、デュアルモノラル・フルバランス構成ならではのセパレーションで昇華されている印象を受けた。ICEPowerらしい低域のパワー感と深み、クリアネスも健在だ。

ORB製3.5mm4極バランス接続対応変換ケーブル(試作品)を使い「Beyerdynamic T1 2nd」で試聴した

特にDSD 11.2MHzのネイティブ再生は圧巻。当初設定パネルで選択していた「DSD over PCM」では再生できず、「DSD Native」に変更する必要があったが、専用ドライバは必要ない。不定期にノイズが発生する現象を確認したが、展示品は試作機であり製品出荷時までには修正するとのこと。MacでDSD 11.2MHz再生に対応するUSB DACが多いとはいえない現状、有効な選択肢となることだろう。

Mac版DSD 11.2MHzを再生したところ。不定期にノイズが乗る不具合を確認したが、「試作機であり、製品出荷時までには解消する」(吉田氏)とのこと

DSD 11.2MHzの再生は、設定パネルで「DSD Native」を選択しておく必要がある