2023年商用運航目指し、H.I.S.とANAHDが出資

これらの開発を促進するため、H.I.S.が3000万円、ANAHDが2040万円を出資。今後、H.I.S.は宇宙旅行をはじめ宇宙輸送サービスの販売、ANAHDは、航空機運航の知見を活かし、パイロットの育成、機体の整備に関する支援を行っていくという。

(左から)H.I.S澤田秀雄会長兼社長、PDエアロスペース緒川修治社長、ANAHD片野坂真哉社長

PD社は、新型エンジンの技術検証を2017年10月までに行い、無人機で高度100キロの宇宙空間に到達させる実験を18年、有人機による同様の実験を20年、そして2023年5月までにアメリカ連邦航空局や国土交通省の飛行許可を取得し、同年12月までに商用運航開始を目指す。

宇宙旅行の総飛行時間は90分で、無重力空間を体験できるのはこの間の5分ほどだという。

PD社は、機体開発と並行して、一般人が宇宙旅行をするために必要な訓練プログラムの提供も行っている。2日間の日程で、メディカルチェックや座学、実地(無重力フライト)を行う。

会見で示されたスケジュール

宇宙旅行の実現性はどれほど?

気になるのは、宇宙旅行の旅行代金だ。

PD社の緒川社長は「いきなり価格を大きく下げる必要はなく、市場価格から大きく乖離することはない」と前置きした上で、「海外競合他社の約7割にあたる1400万円程度を想定している」と明かした。宇宙旅行の販売を担う澤田社長は「販売開始から5年後にはヨーロッパ旅行並みの100万円から300万円の価格帯を目指す」と話し、夢は広がるばかりだ。