酒造メーカーの中野BCと明利酒類は、12月2日、都内にて梅酒の新酒「梅酒ヌーボー」の解禁を発表した。今や秋の風物詩として定着したボージョレ・ヌーボーは毎年11月第3木曜日が解禁日だが、新梅酒の解禁は12月の第1金曜日。その年に収穫された梅から造られる梅酒ヌーボーという存在自体が、消費者にとって、まだ新しく、一般的な認知はこれからというところだ。なぜ今梅酒を、ボージョレ・ヌーボーのように新酒で発売しようとするのだろうか?

(左から)中野BC製造部の山本佳昭部長、同社の中野幸治社長、明利酒類の加藤高藏社長、梅酒研究会専務理事の金谷優氏

その年に収穫された梅から造られる新酒「梅酒ヌーボー」

まず、梅酒ヌーボーの定義から紹介していこう。梅酒ヌーボーを主導する梅酒研究会によると「その年に収穫された梅で造られた新酒であり、その年の『梅の品質』を確認するとともに、 熟成前の『フレッシュさや梅の個性』を楽しむものである」としている。

通常、酒造メーカーが販売する梅酒は、梅を漬け込み始めてから半年で実を取り出し、その後半年から1年かけて熟成させたものだ。しかし梅酒ヌーボーでは、実を取り出したばかりのものを瓶詰めする。

中野BCから発売の「梅酒プレミアムセット『刻』」。梅酒ヌーボーと9年物の古酒のセットで味の違いが楽しめるようになっている

そのため、梅酒ヌーボーは一般的な梅酒に比べて色が薄く、黄金色といったおもむき。味については、スッキリかつ、フレッシュとなっており、飲みやすいのが特徴だ。また、熟成させた梅酒に比べて、梅本来の味わいが出るため、ワインのように、その年の実の出来によって味わいが異なってくる。