説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『カレンダーの「提案された場所」ってなんですか?』という質問に答えます。

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iOS 10に標準装備の『カレンダー』でなにか用事(イベント)を作成すると、自動的に「提案された場所」が登録されることがあります。この現象は、iOS 10で追加された「先読み機能」によるもので、過去に作成されたイベントやよく行く場所などの情報に基づき提案されます。

この「提案された場所」が表示される条件は一定ではなく、よく似たタイトルのイベントを繰り返し作成するうち表示されるようになります。いちど表示されると、次回新規イベントとして作成するときにも自動的に適用されるため、場所を入力する手間が省けます。

ただし、役に立つ「場所」が表示されるとはかぎりません。たとえば、イベント作成時に場所を空欄のままにしていると、そのイベントを作成したときの場所が表示されるため、外出を伴うイベントであっても「提案された場所:自宅」(毎回自宅でイベントを作成していた)などという意味のない情報になってしまいます。

無関係の場所が表示されてしまう場合には、イベントの詳細画面で削除することができます(「×」をタップ)。「追加...」部分をタップすると変更することも可能ですが、任意の地名・住所を手入力することはできず、候補として表示された住所以外は登録できない仕様です。

システムは過去のイベントを調べたうえで提案を行うため、期待どおりの「場所」が提案されるようになるには、イベントを新規作成するときに場所を手入力する作業を地道に続けるしかないようです。iOS 10に用意された"人工知能"により実現される機能であり、明確な基準が示されていないことから、その情報精度も含め参考程度に認識しておいたほうがいいかもしれません。

iOS 10の「カレンダー」では、よく似たタイトルのイベントを繰り返し作成していると「提案された場所」が表示されるようになります