日本マクドナルドの冬の定番商品といえば「グラコロ」だ。1993年に「グラタンコロッケバーガー」という名称で発売して以来、冬の定番商品として期間限定で毎年販売し、ついには顧客の呼び名であったグラコロを正式名称として採用するに至ったロングセラー商品だが、マックは今回、同商品に大幅なリニューアルを加え、名称を「超グラコロ」に改めて販売するという。もはや定番となったグラコロに、手を加える必要はあるのだろうか。

販売期間は12月14日から来年の1月初旬まで

ファンも多い定番商品

グラコロは発売から23年が経過するロングセラー商品。熱量の高いファンも存在するようで、約100人のメンバーが名を連ねる「グラコロ同盟」なる非公式SNSコミュニティも存在するほどだ。

そんな定番商品のグラコロに、マックが大幅リニューアルを実施する。具体的にはバンズに生クリームとバターを加えて風味を高めたほか、味の決め手となる「コロッケソース」ではスパイス感を、「たまごソース」では卵黄感を強化したという。

超デミチーズグラコロ

名前まで変わる大幅リニューアル

放っておいても、販売さえすれば売れそうな冬の大定番グラコロだが、マックが今回、あえて手を加えたのはなぜだろうか。マックに聞いてみると、同社が打ち出している「バーガーラブ」というコンセプトが大いに関係しているという。

バーガーラブを掲げるマックは、“今、一番のバーガーをあなたに”という考え方のもと、顧客の期待を超える新商品の投入に注力している。実際に、ビッグマックを更に巨大化させた「グランドビッグマック」や、定番メニューをカスタマイズできる「マックの裏メニュー」など、バーガーラブを打ち出した2016年4月以降は顧客を驚かせるような新商品も登場した。

すでに味も人気も定着したグラコロは、さすがに変えてこないだろう…と考えていたグラコロファンにしてみれば、名前まで変わった今回のリニューアルは驚きだったに違いない。同社メニューマネジメント部の若菜重昭上席部長は、「発売当初から完成度の高かった」グラコロを改良するのは難しかったと語っていたが、そういった商品ですら進化させることができました、というのがマックのメッセージなのではないだろうか。

発表会に登場した「たいめいけん」三代目オーナーシェフの茂出木浩司氏(中央)も超グラコロの味には満足した様子。グラコロ同盟主宰のただただし氏(右から2人目)は、バンズのバターの風味が印象的だと語っていた

4月以降は平均すれば月に1種類以上というハイペースで新作をリリースし続けてきたマック。超グラコロは年内最後の新商品となる。大定番商品を更に改良した超グラコロは、同社2016年12月期の業績にとって最後の一押しとなるのだろうか。その売れ行きに同社も期待をかけていることだろう。