アラサー女が初めてメイク!? (画像は本文と関係ありません)

こんにちは、トイアンナです。人生初のメイクはいつですか? 私の周りでは、高校デビューが一般的でした。雑誌を片手に見よう見まねでメイクを学ぶ。クラスにはたいてい詳しい子がいて教えてもらえましたし、アイラインが宇宙へ向かって飛び立とうが失敗も許される年でした。

が、その時期にうっかりイギリス留学してしまったのが私です。当時のイギリスは、化粧好きな一部の女子高生しかメイクをしませんでした。しかも女子校とくれば、メイクをする理由もない。おまけにフェミニズムを叩き込まれ、日本に帰るころには「メイクは趣味でしょ」と完全放棄。

そして月日はたち、そのままアラサーになりました。「ファンデーションは使ってません」どころか、化粧水すら使わずに育てた面の皮。内勤の仕事だったこともあり、出先へメイクして伺うなんてこともありませんでした。

川崎貴子さんの一言で目覚める

アラサーまでスッピンだったということで、就職や婚活も素顔で通しました。たまには化粧をしてみようかとコスメを買っても、3日で飽きてゴミ箱行き。眉毛は辛うじて描いてみても、アシンメトリーというか、アーティスティックというか……。

そんな私の顔面を変えてくれたのが、「女のプロ」として活躍される川崎貴子さんでした。以前、対談させていただいたのですが、「化粧ごときで相手の対応が変わるなら、やる価値あるわよ」と仰っていました。「確かに! 」と納得した私は、化粧品の購入を決意します。

とはいえ、メイク初心者のアラサーにはどの化粧品を買えばいいかすらわからん。というわけで、まずはメイクに詳しい友人へ相談してみることに。

「初心者は自己流メイクをしても失敗しやすいから、美容部員に教わってからコストダウンを考えたほうがいい」

なるほど、美容部員さんがいらっしゃるデパートコスメを選ぶのはメイク教室代も兼ねていると思えばいいんですね。いざお金を握りしめてイギリスのデパートへ向かいました。ちなみに、日本だとドラッグストアにも美容部員さんがいらっしゃることも多いので、プチプラコスメでも大丈夫だそうです。うらやましい!

ところが、ですよ。デパートで化粧品売り場を歩けども歩けども無視される。スッピンでカウンターなんか行っても冷やかしに見えるんでしょう。喧騒(けんそう)の中で孤独をかみしめていたところ、一人だけ声をかけてくださった美容部員さんが!

タッチアップをお願いしながらも、困惑するような質問を次々投げかける私。
「この顔料はなんですか? 」
「この液体とこの白い液体の違いは? 」
「この筆で顔に粉をはたくんですね? 」
と、メイク用語も知らないので、貧しいボキャブラリーで基礎化粧品からそろえました。

ライン買いしたコスメたち

化粧を落とすための液体があるんかいっ!

「これで私も化粧美人! 」と数日はうれしくて家の中でもずっとフルメイクを練習していた私ですが、数日後にある変化が。顔がニキビだらけになったんです! 10代からニキビなんてほぼ無かったのに!

あわててコスメカウンターへ電話すると、
美容部員さん「クレンジングはきちんとしましたか?」
私「クレンジングってなんですか? 」
美容部員さん「……」
絶句させちゃったよ。

いや、ほら、ずっと化粧してこなかったからね? 顔料を落とす専用の液体が別売りだとは思いもよらなかったのね? 化粧後も普通に石けんで顔を洗ってましたわ。だって洗顔料なんて持ってないし……。そういえば女友達が家へ泊まりに来るとよく「彼氏の家へ来たみたい」と言われてましたっけ。コンビニでお泊まり洗顔セットを買ってもらってました。

これから拙宅にお泊まりになる方は、家にメイク落としはあるんで安心してくださいね。洗顔料は相変わらずないけれど、メイク落としを使うようになってからは、ニキビもなく平穏無事に過ごしています。

変わったのは現実よりも画面写り

というわけで、思わぬ肌荒れまで含めて最初から驚きの連続でしたが、何度かデパートへ通った現在、初心者レベルの化粧ができるようになりました。美容部員さん、あきれず付き合ってくれてありがとう!

余談ですが、メイクしてからデパートへ赴いたところ、今度は「タッチアップしませんか? 」「期間限定製品はいかが? 」と引っ張りだこに。落差にショックを受けつつも、スッピンでも声をかけてくれたブランドはどれも覚えていますし、これからも通いたいと思えました。

私と同じようにアラサーさんが初めてメイクをそろえるなら、あえてスッピンで挑むのも優しい美容部員さんを見つける手だてとなるかもしれません。その美容部員さんの元でフルラインアップ購入して評価が上がるなら、どちらもうれしい選び方です。

さて、肝心の顔です。友人や夫は化粧前と変わらないと言いますが、大きく変わったのはカメラ・ビデオ写り。Skype会議や集合写真で以前より顔が明るくなってびっくりしましたし、化粧した顔は「公に見せる顔」なんだなと意識した次第です。面倒くさがりなのでこれから化粧を続けるかは分かりませんが、ビデオ会議には必須の塗料となりました。

※本コラムは個人の体験や取材に基づくものであり、医療的な効果などを示唆・保証するものではありません


著者プロフィール: トイアンナ

外資系企業で約4年勤務。キャリアの一環としての消費者インタビューや、独自取材から500名以上のヒアリングを重ねる。アラサー男女の生き方を考えるブログ「トイアンナのぐだぐだ」は月間50万ページビューを記録。現在もWebを中心に複数媒体でコラムを連載中。