Hewlett Packard Enterprise(HPE)は、英ロンドンで「Discover London 2016」を開催。11月29日(現地時間)のオープニングでCEO Meg Whitman氏は、「デジタルトランスフォーメーションを回避できる業界はない。すでに進んでいるか、今始まったか、これから始まるかだ」と語った。

HPE CEO Meg Whitman氏

同社はアプリケーションとデータが燃料となるデジタル時代に向けて、ハイブリッドITとIoTエッジコンピューティングで支援するという。

HPEとしてスタートして一年

Hewlett-Packardの分社化によりHPEとしてスタートしてちょうど一年。Whitman氏はまず、これまでの経過について説明した。

「この1年は研究開発にフォーカスし、サーバ、ストレージ、インフラ管理、コンバージシステム、クラウドなどの分野ですばらしい製品を投入してきた」とWhitman氏。この中には、1年前のDiscover Londonで発表したコンポーザブルインフラ「HPE Synergy」、ネットワークエッジの「Edgeline IoT Systems」、それに2016年春のDiscover LasVegasで発表した「Edgeline Converged IoT System」などがある。

また同社は、買収と売却も継続して行ってきた。買収では、8月に計画を発表したSGIがある。

「リアルタイム分析向けに最高のデータ管理技術を提供できる。HPC市場におけるリーダーシップの地位を確実なものにする」とWhitman氏はその狙いを説明した。

売却では、5月に発表したエンタープライズサービス事業のスピンオフ、9月に発表したソフトウェア事業のスピンオフ計画がある。それぞれ、CSCとMicro Fucusが吸収する。中でもソフトウェア事業については、「Micro Focusは急成長しており、成熟したソフトウェア、新しいソフトウェア資産を持ち、顧客にバリューを提供している。取得した事業を閉鎖したことはない」とし、HPEのソフトウェアに投資した顧客に向かって、「安心してください」と呼びかけた。

ただ、すべてのソフトウェア事業を捨て去ることはしないという。

「ハイブリッドIT環境に重要なインフラソリューションの差別化につながるソフトウェア機能には投資を継続する」とWhitman氏。そして、「HPE OneView」を例に挙げ、「HPEのソフトウェア定義製品に重要な管理機能であり、安全かつ統一された形でアプリの管理ができる」と続けた。

リソースを動的に配分できるコンポーザブルインフラHPE Synergyやコンバージドシステムも中核をなす重要な製品で、2013年にローンチして以来、累計で50万のライセンスを販売した。同時に、Docker、Chefなどとの提携を通じてエコシステムの拡大も図っている。

これに加えて、財務サービスも紹介した。消費に応じて課金する柔軟な課金モデルを導入しており、これによりIT投資戦略に柔軟性をもたらすという。