【レポート】

自社開発のLTE Cat 1チップを搭載 - u-bloxのIoT向けセルラモジュール

1 自社でLTE Cat 1対応チップを開発

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スイスu-bloxは今年ドイツで開催されたElectronicaにおいて、LTE Cat 1向けのセルラモジュールを発表したが、これに関する説明会を11月28日に都内で開催した(Photo01)。

Photo01:説明を行ったユーブロックスジャパンの吉田正徳氏(ビジネスディベロップメントマネージャ)

そもそもu-bloxはGNSSやさまざまな通信モジュールを提供するベンダである(Photo02)が、先般のニュースにもあった通りLARAおよびTOBYのフォームファクタで、LTE Cat 1に対応したモジュールを提供する(Photo03)。

Photo02:同社の提供するモジュール一覧

Photo03:今回はCat 1だが、今後はCat M1やCat NB1なども手がけてゆく予定だ

ここで特徴的なのは、このCat 1に利用されるチップそのものがu-bloxで開発されたものということだ。従来2G/3G用、あるいはCat 4以降のモジュールは他社のチップを同社がモジュール化する形だったが、このCat 1に使われる「UBX-R3」というチップはu-bloxが独自に開発したものとなる。この理由について、特にIoT向けのチップは、メインストリームのCat 4~向けと違い、長期間の供給保証が必要とされるといったニーズがあり、また数量的にも今後IoTの普及で、スマートフォンを上回る数のチップセットが出ると予測されていること、あるいは問題あるいは不具合が発生した場合に、自社ですべての解析や対処が出来るなどのメリットがあることを挙げている。特にこの自社での解析や対処は、自動車あるいは産業機器向けのユーザーから求められている内容でもあり、これを評価してもらっている、という話だった。

性能そのものはCat 1に対応してダウンロード10Mbps/アップロード5Mbpsというあたり。また同社のSARAシリーズなどのGSM/UMTS/CDMAモジュールとピンコンパチブルなLGAフォームファクタで、GNSSを搭載している点も特徴として挙げている(Photo04)。

Photo04:待ち受け電流に関しては「まだ測定しているわけではないが、競合製品よりも低くなる予定」との事

対応するマーケットとしては、通話向けのLTEほどの高速性能は要らないが、NB-IoTとかCat M1では帯域が不足するマーケット向けとしている(Photo05)。特にモビリティに関しては、LoRaとかSigfoxのようなアンライセンシングのISMバンドを利用した通信は、ハンドオーバーなどに難点があるので難しく、またCat M1やCat 1でも、自転車くらいならともかく自動車で高速道路を移動するようなケースでは、あまり速度が遅いとレイテンシが大きくなりすぎてしまう点が問題であり、ところがCat 1では現在の3Gと同程度の速度が実現できるから、こうした用途に向いている点を挙げている。

Photo05:どの用途にしても、当然データ量との勘案(例えばフルHDの監視カメラの映像を常時流していたら、Cat 1でもぎりぎりだろう)になるので、実際のところはアプリケーション次第という話であった

ちなみにパッケージはSARA/LARA/TOBYで共通のガーバーを利用できるように工夫されており(Photo06)、ソフトウェア側も最小限の変更で済むように工夫されているため、地域ごとにモジュールを変える必要があるような場合でも簡単に対応できる、という話であった(Photo07)。

Phtoo06:ちなみにモジュールだけでなく周辺のLCRなどの変更も必要になるが、これはモジュールとかというよりも利用する周波数帯によってマッチングが変わってくるから、との事

Photo07:そのリファレンスデザインの実物

ちなみに自動車向けや産業機器向けということで信頼性に関してもきちんとしたかたちで提供することを予定しているとする(Photo08)。製造に関してはまだ最終決定はなされていないが、チップの前工程はGLOBALFOUNDRIES、後工程はAmkor Technology、モジュール製造はFlextronicsにそれぞれ委託の予定という話であった。

Photo08:いずれもまだ予定であるが、今のところは全量検査をきちんと行う予定だそうだ

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インデックス

目次
(1) 自社でLTE Cat 1対応チップを開発
(2) 搭載製品の登場は2018年以降か?
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