早稲田大学、早稲田キャンパスにある「大隈ガーデンハウス」。8時30分という朝早い時間に、続々と学生たちが集まってくる。彼らの目的は一体何か? それはズバリ「50円朝食」だ。50円で朝食が食べられるとなれば、学生たちにとってこれほどの至高はない。朝早くとも、大隈ガーデンハウスに足を向けないわけには行かないだろう。

腸温活プロジェクトの一環で提供された格安朝食

さて、この50円朝食のプロジェクトは、「五重マル 50円朝食」というのが正式名称だ。2016年11月14日~11月18日の期間、前述の大隈ガーデンハウス、西早稲田キャンパスの「理工カフェテリア」で実施された。

現在、全国の大学に広がりつつある「100円朝食」だが、今回はさらにその半額の50円という価格で朝食が提供された。当然、利益を出すことはおろか、完全な原価割れだ。1日150食限定だが、5日間で750食にのぼり(両キャンパスで1,500食)、はたして早稲田大学に利はあるのだろうか。

実は、50円朝食は「腸温活プロジェクト」の一環として行われた。腸温活プロジェクトは、大妻女子大学の学部長や医学博士、管理栄養士などがプロジェクトメンバーに名を連ね、複数の企業が協賛している。

その協賛企業をザッと紹介しよう。一般社団法人青森県りんご対策協議会、オムロン ヘルスケア株式会社、相模屋食料株式会社、敷島製パン株式会社、フジッコ株式会社といった企業だ。

早稲田キャンパスで50円朝食を楽しむ学生たち(左)。提供された50円朝食のメニュー(右)

オムロン ヘルスケアをのぞき、ほとんどが食品を手がけている企業。つまり、こうした企業が自社製品を提供することで50円朝食が実現した。メニューをみれば明らかでフジッコの「朝のたべるスープ」、敷島製パン(Pasco)の「ゆめちからブランロール」、青森県りんご対策協議会の「青森県産りんご」、相模屋食料の「ナチュラルとうふ」といった食品が並ぶ。

では、この腸温活プロジェクトのねらいは何か。それは朝食を欠食しがちな若年層に対し、この傾向を改善することにある。また“腸温活”とあるように、シッカリと温かい朝食を摂ってもらうことで、冬場に向けて冷え込みが強まるなか、体を温め、その日の活動を支えることにある。