多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『スマホが寒さに弱いってホントですか?』という質問に答えます。

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ある意味、本当です。スマートフォンに限らず、リチウムイオンバッテリーで動作する精密機器は周囲の温度に多少の影響を受けます。低温下での利用に関していえば、一般的な最適温度とされる20~30℃を下回る頃から駆動時間が短くなりはじめ、場合によっては電源がオフになることもあります。

その原因は、バッテリー内部における化学反応(酸化還元反応)のペースが変化することにあります。電子機器は動作に一定以上の電圧(カットオフ電圧)が必要ですが、低温下では化学反応のペースが低下して電圧降下が速まり、常温下に比べ短い時間でカットオフ電圧に達してしまいます。これが、寒い場所でバッテリーのもちが短くなる原因です。

温度低下によるバッテリーの化学反応ペース低下が原因ですから、温度が上昇すればバッテリー残量は元の水準に戻ります。実際にエネルギーを消費したのではなく、化学反応のペース低下によりバッテリーが減ったように見えるだけのことですから、常温に近づくにつれバッテリー残量は回復します。

ただし、急激な気温の変化には用心しましょう。急激な気温の変化は、スマートフォン内部の空気に含まれるわずかな水分による結露を招きかねません。冷えた体ともども温めようとスマートフォンをストーブの近くに置く、といった行為は避けましょう。

予防策ですが、温度変化が少ない部分にスマートフォンを入れておくことが上策です。体に近い内ポケットに入れて持ち運ぶ、就寝時は窓際など温度変化の激しい場所に置かない、といったわずかな心がけで冬は乗り切れるはずです。

ウインタースポーツの季節、スマートフォンの温度管理に注意しましょう(画像はイメージです)