インテリアや住まい選びに役立つ風水。風水の歴史は古く、紀元前2000年頃の中国が起源と言われます。私たち人間も宇宙の産物であり、自然の中で生かされ、自然から密接な影響をうけるとされます。風水とはその影響を推測し、自然の摂理に逆らわず調和することで、自然を味方につけ開運する学問です。今回は、その基本的な考えである「陰」と「陽」について紹介します。

陰陽思想の宇宙観

陰陽を表した「太極図」

一度はどこかでこの図を目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。この図は「太極図」と呼ばれ、古代中国から伝わる陰陽思想の宇宙観を表しています。

その昔、宇宙は混沌(こんとん)とした気(エネルギー)の状態であったとされます。上も下も、右も左も無く、すべては1つ。比べるものもありません。そこからやがて、軽いものは上へ上へと昇り、重いものは下へ下へと降り、2つの気の状態へ分かれていきます。それが「陰」と「陽」の始まりです。陰陽説は、簡単に言えば「万物全てのものは陰と陽で構成される」という考え方。太極図は白い部分を陽、黒い部分を陰とし、陰と陽を表しています。

「陰」と「陽」とは?

陽から連想されるものは、「天」「太陽」「朝」「男性」「動」「熱」「剛」「外」「軽」「火」「南」など。対して、陰から連想されるものは、「地」「月」「夜」「女性」「静」「冷」「柔」「内」「重」「水」「北」などがあります。

住まいで言えば、陽の気は活動のエネルギーを持ちますので、玄関や人が多く集まるリビングなどに宿ります。陰の気は静寂のエネルギーを持ちますので、寝室に陰の気を導けば、地球のリズムに逆らわす、幸せが舞い込みやすい快適な生活空間となります。

陽の気はリビングに、陰の気は寝室に向いています

陰と陽の気の性質は、一見するとかけ離れた両極端なイメージを受けます。しかし、「光があれば影ができる」というように、もともとは1つのもの。表裏一体で混ざり合っているため、別々に存在することはできません。朝が来て、夜が来るというように循環する存在でもあります。太極図を見ると、陽の気である白い部分が張り出している部分にも、ほんのわずかに陰の気が入り込んでいますね。

さらに陰と陽は、陰の中でも陰陽2つの状態に、陽の中でも陰陽2つの状態に分化し、2つに分かれた状態から4つに分かれた状態へとなっていきます。それが、太極図の黒の中にある白い点の部分と、白の中にある黒い点の部分です。そして4つの状態からさらに8つの状態へ分かれた状態が、九星気学の元になっている"八卦(はっけ)"です。

「陰」と「陽」どちらがいいの?

万物に陰陽の気が宿っているということは、地球で生かされている私たち人間も「陰」と「陽」を持っているということになります。そして、そのバランスには個人差があります。

例えば、「陽」の気が強い人は明るく爽やかで、「陰」の気が強い人からは控えめでおとなしい印象を受けるとされます。

「陰」と「陽」は単純に性質の違いを表していて、どちらがいいというものではありません。大切なのはバランスです。例えば、「陽」の気が強すぎる場合は積極的だけど深みがない人、「陰」の気が強すぎる場合は神経質で「病は気から」の状態となりがちになってしまいます。

「陰」と「陽」、どちらに行き過ぎても良くありません

どちらにも偏らず真ん中にいること、これを「中庸(ちゅうよう)」といいます。この「中庸」こそが、幸せになるための気のバランスです。そして"風水"とは、自分に必要な気を取り込み、幸せなバランスを作るための知恵なのです。

ですので、住まいでは水回りが特に重要なポイントとなります。陰の気が集まりやすく、陰陽のバランスが最も崩れやすいところだからです。清らかに流れる小川は気持ちのいいものですが、流れのない水はよどみ腐ってしまいます。湿気を流し、常に清潔に保ちましょう。

陰の気が集まりやすい水回りは注意すべきポイントです

あなたは、「陰」と「陽」のどちらの気が強いでしょうか。現代は何かとストレスが多くなりがちですよね。そんな時は、陰の気が強くなっています。陽の気を取り込んで幸せバランスを作るといいでしょう。

※画像はイメージ

著者プロフィール: 月香(つきか)

ハート占い1to1ハートスクール1to1主宰。
幼い頃よりさまざま体験を通じて、目には見えない何か不思議な力が存在していることに気づく。
スピリチュアルカウンセラーとして、風水や四柱推命、霊視をしながら、たくさんの方々を鑑定。人は誰でも最良の選択をすることで、幸せを引きよせることができると実感する。
スクールでは、占い師、セラピスト、スピリチュアルカウンセラー、ヒーラーを養成。
モータースポーツにも従事。レーシングチーム、Team Sky Lightに所属。