自動家計簿アプリを提供するマネーフォワードは11月24日、学校法人聖徳学園聖徳学園中学・高等学校(東京都武蔵野市)にて公開授業「18歳からのマネーフォワード」を実施した。このレポートでは、授業の様子をお伝えする。

マネーフォワードが聖徳学園中学・高等学校にて公開授業「18歳からのマネーフォワード」を実施

「お金とは何か?」をみんなで考える

高校2年生を対象にした公開授業の講師はマネーフォワード取締役 Fintech研究所長の瀧俊雄さん。生徒たちはまず、最初のテーマ「そもそもお金とは何か」についてグループワークを行い、それぞれのイメージする「お金」について意見を出し合った。

【高校生が考える「お金」とは?】
「モノの価値基準を表す、売買に必要なもの」
「人類が作った最大の概念」
「お金があれば愛以外は買える(愛はお金じゃ買えない)」
「モノの価値や人の努力など、目に見えないものを表す形」
「生きていくのに必要、場合によっては命より価値があるもの」

高校生の答えに対し、瀧所長は「交換の手段であるが、それだけではない、感情を揺さぶられるもの」と解説を行った。

グループワークを行う高校生(写真左はマネーフォワード取締役 Fintech研究所長の瀧俊雄さん)

「お金」と「幸福度」は比例する?

続いてのテーマは「お金があると幸せになれるのか」。お金と幸せは比例するのか、高校生からは次のような意見が集まった。

【お金があると幸せになれる?】
「最低限度は比例するが、ある線を越えると比例しない」
「お金持ち全員が幸せとは限らないが、あった方が幸せ」
「『もっと欲しい』と欲が出るから、幸せにはならない」
「コツコツ貯めたお金に関しては比例するかもしれないが、宝くじのようにいきなり手にした大金は幸せにはなれない」
「お金があることで基本的欲求は満たされるのは事実。かといって『お金がない人が不幸』かどうかはわからない」

生徒たちの指摘にあるように、瀧所長も「不幸にならないためには、ある程度のお金は必要」と述べる。

瀧所長「幸福度とお金の関係性について調べた研究によると、基本的な生活をするぐらい、日本で言うと300~400万円ぐらいまでは幸福度とお金は比例します。しかし、それ以降は比例しなくなる。人によるんですね。また、国によっても結果は異なります。日本人は年収400~500万円で不幸でも、ある国では年収40万円で幸福かもしれない。一概には言えないですが、『お金があると幸せになれる』というよりも、どちらかというと『不幸せにならないためにはお金が必要』ということを意識してみるといいと思います」

グループワークを行う高校生

ある程度は必要だが、急に大金が入ると逆に不幸になる、という事例は宝くじの高額当選者にも見られることだ。瀧所長が公開授業で語ったように、高額当選で仕事を辞めるというのは絶対にやってはいけないことだという。

瀧所長「高額当選すると、当選者の手引をもらえます。それに書いてある『当選者がやってはいけないこと』には『仕事を辞めること』があります。仕事を辞めると、暇になりますよね。ですが、会社員の友人は昼働いているので遊ぶ人がいない。『自分がお金を出すから』といって平日の昼に遊んでくれる人を誘っているうちに、お金がなくなってしまうのです」