冬の到来とともに毎年気になるのがインフルエンザの流行。毎年異なるタイプがはやることから、予防接種は毎年行っているという人も多いことでしょう。

インフルエンザの予防接種費用は、子供や高齢者に自治体の補助がある地域もありますが、それ以外は基本的に実費負担です。なるべく安く済ませたいけど、安全性は大丈夫なのか心配という人もいると思います。今回は予防接種の料金がどうなっているのか見てみましょう。

インフルエンザの予防接種、病院によって金額が違うのはなぜ?(画像はイメージ)

病院によるインフルエンザの予防接種料金はなぜ違うの?

インフルエンザの予防接種は、毎年必ず受けているという家庭も多いでしょう。1回数千円で、子供の場合には2回接種が基本なので、家族全員が接種すればワンシーズン1万円以上の出費となる家庭もめずらしくありません。

このインフルエンザの予防接種は、治療ではないので健康保険がききません。全額自己負担なので、必要とはわかっていても家計には大きな打撃です。何とか少しでも安く済ませられないかと思うのもむりはありません。

いつも決まった病院で接種している人の中には、どこで接種しても料金は変わらないと誤解している人もいますが、インフルエンザの予防接種料金は病院によって違いがあります。

ワクチンの原価はどうなっている? 安い病院でも大丈夫?

インフルエンザのワクチンは毎年流行しそうな型を予想して作られていますが、A型、B型があり、それぞれの型に更に2種類の型のワクチンが入っています。

ワクチンの仕入れ値は、病院によって大きな違いはありませんが、予防接種料金は自由診療なので病院ごとに料金を決めていいことになっています。つまり、病院ごとに料金には差があるということです。

ワクチンの成分はどの病院でも同じメーカーのワクチンを使っていれば中身に換わりはありません。各病院のインフルエンザ予防接種料金は、基本的に廃棄リスクや人件費などを考慮して病院ごとに決めているので、複数の病院に料金を問い合わせてみるといいでしょう。高いところと安いところでは1,000円以上の違いがあるケースもあります。

小さい子供は1回あたりの接種量が少なくなりますが、だからといって、必ずしも大人より安い料金を設定しているわけではありません。少ない量の接種をして余った分を廃棄する場合のロスも考慮して料金を決めているケースもあるからです。

また、同じ病院で2回接種する場合には、2回目は割引価格を設定している病院もあります。料金がどうなっているかは直接問い合わせてみないとわからない部分もあるので、いくつかの病院に問い合わせてトータルで安く済む病院を探して接種するといいでしょう。

各病院のインフルエンザワクチンの仕入れ量も差があります。申し込む時期によっては、在庫がなくなって断られたりすることもあります。また、病院によっては接種期間が決まっているところも。

事前にチェックしておこう!

なるべく安く済ませたいと考えるなら、安い病院を探し、流行し始めるまえに予約しておくといいでしょう。

いったん流行が始まると、ニュースなどで取り上げられることもあり、すぐに予防接種ができないばかりか、料金も割高な病院を選択せざるを得ないこともありえます。また、接種までに日にちがかかると、免疫ができる前にインフルエンザに感染してしまう恐れもあります。

特に幼い子供や高齢者を抱えている家庭では、早めの対応が安心です。インフルエンザは予防接種をすれば病気にかからないわけではなく、症状が軽く済んだり発祥せずに済んだりするなどの効果があるといわれています。ですから、予防接種を打つのと同時に手洗いうがいや混雑する場所に行くときにはマスクをする、栄養と睡眠をとって免疫力を高めておくなどの予防も同時に行うことが大切です。


堀内玲子
ファイナンシャルプランナー。証券会社勤務後、編集製作会社で女性誌、マネー関連書などの編集を経て93年に独立。96年ファイナンシャルプランナー資格を取得。FPとして金融・マネー記事などの執筆活動を中心に、セミナー講師、家計相談などを行う。著書に「あなたの虎の子資産倍増計画」(PHP研究所・共著)「年代別 ライフスタイル別 生命保険のマル得見直し教室」(大和出版)など。

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